奨学金の返済額ってどのくらいが相場なの?上手に返済するコツは?

弁護士

高校や大学に進学する際、特に大学進学においては、そのほとんどの人は奨学金を利用すると思います。実際に奨学金の総額や毎月の返済額はどれくらいになるのか理解している人は多くはないかもしれません。今回は、奨学金の返済額の相場と上手に返済するコツについて、詳しく解説していきたいと思います。

奨学金の相場の返済額

進学時に借りる奨学金には、ある程度相場が決まっています。

そのため、奨学金のシュミレーションを立てる際には、この相場で計画すると良いです。

以下について、それぞれ解説していきます。

奨学金を2年間借りた場合の総借入額

一般的に短期大学や専門学校は、その在学期間は2年ですので、当然奨学金も2年間借りることになります。また、奨学金には無利子である第一種、有利子である第二種にそれぞれ分けられます。

無利子の第一種であれば、国立で毎月の奨学金は45,000円~51,000円が相場となり、総借入額はおおよそ1,080,000円~1,224,000円と想定されます。私立では毎月の奨学金は53,000円~60,000円が相場となり、総借入額はおおよそ1,272,000円~1,440,000円と想定されることになります。

有利子の第二種であれば、利息の兼ね合いがあるので、正確な総借入額は不明ですが、返済利率は0.01%~1%で想定されることがほとんどです。

奨学金を4年間借りた場合の総借入額

通常の大学であれば、その在学期間は4年ですので、奨学金も4年間借りることになります。この場合も、上記同様、無利子である第一種、有利子である第二種に、それぞれ分けられます。

無利子の第一種であれば、国立で毎月の奨学金は45,000~51,000円が相場となり、総借入額はおおよそ2,160,000円~2,448,000円と想定されます。私立では毎月の奨学金は54,000円~64,000円が相場となり、総借入額はおおよそ2,592,000円~3,072,000円と想定されることになります。

有利子の第二種は、利息によって、その総借入額が変動し、返済年数は最長20年なので、返済にかける年数が長いほど、当然多くなる計算です。

奨学金の利息

奨学金には、第一種と第二種に分けられており、第一種は成績優秀者などが受けられる奨学金が多く、そのほとんどで無利子となっています。よって、奨学金によって利息が発生するのは、第二種の奨学金のみということになります。

返済利率は、その奨学金の大元によって違いますが、0.01%~1%の範囲内であることが多く、そこまで高い利息ではありません。しかし奨学金自体、高額であり、返済にかかる年数も長いことから、油断していると、とんでもない利息になってしまうもあるので注意したいですね。

総借入額と利息を合わせた月々の返済額

奨学金は、学校卒業後、受給対象者が社会人になると、返済の義務が発生し、中には、返済不要の奨学金もありますが、そのほとんどが返済を要する奨学金です。無利子の第一種であれば、国立で毎月の奨学金は45,000円~51,000円が相場となり、返済額はおおよそ7,500円~8,500円と想定されます。

私立では毎月の奨学金は53,000円~60,000円が相場となり、返済額はおおよそ8,833円~9,230円と想定されることになります。有利子である第二種であれば、まず借りる年数によって変動します。

貸与期間が4年で、毎月50,000円借りていた場合、返済利率0.01%~1%として、毎月の返済額は13,343円~14,428円となります。これが貸与期間が2年であれば、同条件で毎月の返済額は8,338円~8,886円となります。当然、第二種のほうが無利子の第一種よりも、トータルでかかる返済額は多くなることになります。

月々の奨学金がどのくらい家計を圧迫するか

大学を卒業して、ようやく社会人となり、これからバリバリ働いていくわけですが、在学中に借りた奨学金の返済も忘れないようにしてください。実は、この奨学金の返済が、かなり家計を圧迫するそうで、ここでは具体的な数字を出しながら、その構成比をみていくことにします。

以下について、それぞれ解説していきます。

新卒で入社した時の平均月収

奨学金を返すためには、まずは収入についてですが、大学を卒業して新卒での平均月収は、男性で205,900円、女性で200,000円と言われております。比較として、高校卒業して新卒での平均月収は、男性で179,700円、女性で175,200円となっており、その差異はおおよそ3万円前後となります。

家庭によっては高校在学中にも奨学金を借りる人もいますが、そのほとんどが大学在学中に借りるので、奨学金を考えると、長期的に見なければ、マイナスであることがわかります。この新卒の給料は、手取りではないので実際手元に残るお金はもう少し低く、決して満足する月収ともいえないのが現状です。

1人暮らしをした場合の平均生活費

正直人によって、かかる生活費は大きく変動するので、家計調査での平均値をそれぞれの項目に当てはめていきます。月収が18万円と仮定し、まず家賃は収入の1/3と想定すると6万円、食費4万円、光熱費7,000円、通信費4,000円、携帯電話費5,000円、交際費や雑費で23,000円で、合計132,000円となります。

となると差し引きで、48,000円残る計算になり、仮にそこから貯金に20,000円回すと、残金28,000円です。単純に生活にかかるお金を差し引いた残りがこれだけということになります。

奨学金を返済すると手元に残るお金

上記の計算シュミレーションからお分かり頂けたかと思いますが、手元に残ったお金から奨学金を返済すると、ほとんど残りません。また、そうなると自分で自由に使えるお金もないということになり、果たして生きていて楽しいと思えるのでしょうか?

奨学金が完済するのは、おおよそ10年~20年かかることになり、基本長期間返済していかなければいけません。もちろんその間に昇給することもあると思いますが、余裕のある生活を求めるのは厳しいかもしれませんね。

奨学金貸付終了月から7か月目に返済が始まる

準備

奨学金を利用していた人は、社会人になり、すぐにその返済が始まるわけではありません。貸付終了から7ヶ月目から、返済が始まることになり、それまでの半年間は返済義務がないということです。

以下について、それぞれ解説していきます。

3月に卒業した場合7か月目の10月から始まる

一般的に高校・大学の卒業月は3月なので、奨学金の返済は3月から起算することがほとんどです。そのため、3月から起算して、10月から奨学金の返済が始まることになります。もちろん、卒業月がずれると、その分返済開始月も変わるので注意が必要です。

新生活に慣れるまでの配慮で半年間は返済しなくて良い

新卒として働き始める当初は、用意するものも多く、様々な費用がかかってしまいます。そのため、卒業月から半年間は返済しなくてもよいという配慮がなされます。できれば、この半年の間に余裕を作るため、少しでも貯金などをしていければ良いかと思います。

毎月の返済日は27日

家賃や光熱費など、毎月支出となるものには、返済日が決められています。もちろん、奨学金の返済にもその返済日は設けられており、27日であることが一般的です。

働いている会社の給料日を鑑みて、返済のシュミレーションを立てる必要があります。

奨学金を上手に返すコツ

新卒は給与もそこまで高くなく、生活は極めて苦しい傾向にあります。そのため、漠然と返済していても、どうしようもありません。奨学金を上手に返していくコツというものがあるので、以下について解説していきます。

返済額をしっかり把握する

まず、返済額をきちんと把握しておくことが大前提となります。

いくら返済するのかも把握していないのであれば、賢く返済することなど不可能です。

もとより、返済額もわからないのであれば、どうやって返済していくのでしょうか?

収支を把握する

収入と支出の把握は、お金を管理する上で非常に重要となります。

いくら収入があり、いくら支出があるのか、これをきちんと把握していることで、日々の節約意識も高まります。

お金に困る人の多くは、この収支の把握ができていないケースがほとんどで、必ず意識したいところです。

節約できる生活費はないか徹底的に見直す

生活する上で、意外と無駄となっている費用はあります。

その費用を見つけて、少しでも節約するように徹底的に見直すことが必要です。

例えば、携帯代であれば格安SIMにするとか、光熱費を極限まで節制することで、節約は可能です。

余裕がある場合は贅沢をせず繰り上げ返済をする

毎月返済額は決められていますが、何も正直にその金額を毎月返済することはありません。

余裕があれば、繰り上げ返済をして、少しでも完済できるように調整することも大切です。

もちろん、決められた返済額を下回ることはダメなので、あくまでも多めに返済するといった意識付けができれば、自ずと完済期間は短くなります。

奨学金を把握するためにスカラネットPCを利用しよう

奨学金を把握するために、スカラネットというサイトをうまく利用したいところです。このスカラネットとは、奨学金の申し込みから管理までを一括で行えるサイトで、奨学金を完済するまでお世話になります。

以下について、それぞれ解説していきます。

スカラネットPCとは

スカラネットとは、奨学金を利用している学生から、実際に返済している社会人まで、幅広く利用されているサイトです。奨学金の内容がこのサイトにおいて、一目で把握できるという、いわばデータベースのようなものです。

全ての利用者が強制的に利用するわけではなく、利用には登録が必要になります。しかし、利用は無料ですし、登録することにデメリットはほとんどなく、是非利用したいサイトになります。

スカラネットPCを利用する重要さ

実際にスカラネットPCを利用する上で、様々なメリットがあります。まず、現在の奨学金の状況を逐一把握でき、返済中であれば、残りの残高と返済期間が認識できます。

また、住所などが変わった際は、スカラネットで簡単に変更でき、手間がかかりません。このようなメリットを考えると、是非登録しておきたいと思うのは必然ですね。

奨学金の返済が遅れるとどうなるのか

どうなる

お金を借りたら、きちんと返済しなければいけませんよね。もちろん奨学金も同様であり、仮に返済に遅れてしまうと、余計にお金が発生してしまうことになってしまいます。

このような事態にならないように、返済日に確実に返済できるようにしたいですね。以下について、それぞれ解説していきます。

遅延金

奨学金の返済は、長期間にわたる返済になるので、返済が遅れるときもあると思います。その場合、1回目の滞納については遅延金などがかかることはありません。

しかし、次の返済日までに督促の連絡や郵送による催促がくることになり、滞納者にその事実を突くことになります。実際に遅延金が発生するのは、2回目の滞納からとなり、年利で5%の遅延金が発生します。

返済が遅れた分の引き落とし日

奨学金は仮に返済できなかった場合、新たに返済日が設けられることはありません。返済できなかった月の分は、翌月にまとめて返済する形になります。

そのため、滞納すればするほど、求められる金額が大きくなるので注意が必要です。もちろん、その期間が長期であればあるほど、かかる遅延金も大きくなります。

奨学金の返済が苦しくなったら

奨学金の返済は確かにしなければいけないものですが、生活によってはその返済ができない状況もあります。そういった人のために、いくつか救済制度が存在します。以下について、それぞれ解説していきます。

返還期限猶予制度

この制度は、1回申請すると、1年間の返済の猶予がもらえます。もちろん回数には限度があり、10回までしか利用できませんが、トータルで10年間の返済猶予が認められることがあります。

また、この返還期限猶予制度には2通りがあり、一般猶予と呼ばれる制度は、単純に返済を先送りにします。もう1つが、猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予という制度で、一定の収入を得るまで無期限で返済猶予がされます。

減額返還制度

この制度は返還期限猶予制度のように、あくまで返済の猶予をもらうものではなく、その奨学金の減額ができます。最長で15年間有効となり、かなりの減額を見込めるため、奨学金の返済に困窮している人にとっては、非常に有難い制度です。

しかし、一定の条件を満たしている必要があり、全ての人が対象になるわけではありません。多くは、生活困窮者が対象となり、満足に働ける人はその対象にはなりません。

奨学金返済額の相場を知って自分に置き換えてみよう

このように、奨学金の相場を理解して頂けたかと思います。多くの大学生は、その学費が高額であることから、奨学金を利用しているのですが、実際に返済しなければならないと考えれば、気が引けてしまいます。

実際に新卒で働き始めても、正直余裕のある生活ではなく、さらに奨学金の返済をしていくとなれば、かなり生活はキツイことが予想されます。それでも、奨学金を利用しなければ、大学進学が叶わないのですから、返済する際に自分の中で、きちんとした返済計画を立てていきたいものですね。