差押予告通知書が届いたら?【対応と差し押さえの仕組みを解説!】

「差押予告通知書」をご存知ですか?これは税金や保険料を支払っていない人に最後にくるものです。この通知が届くことはあまり良い状況ではありません。無視していると、大変なことになってしまうので注意が必要です。

そこでこの記事では、万が一差押予告通知書がきてしまったときのとるべき対応や通知がきてから差し押さえまでの仕組みを解説していきます。

差押予告通知書が届いたら取るべき対応判決

たとえどんな理由であっても、税金を支払わずに滞納している人には、役所から「差押予告通知書」がいずれ郵送されてきます。

もし、差押予告通知書がきてしまった場合、どうすればよいのでしょうか。

絶対に無視してはいけない

もし万が一、差押予告通知書が郵送されてきたときは、見て見ぬふりをすることは絶対にやめましょう。差押予告通知書には「この日までに支払っていない税金を支払わなければ、あなたの財産を差し押さえます」ということが記載されています。

つまりは、「差押予告通知書がくる」=「税金を支払えないのであれば、財産の差し押さえを行いますよ」と言われているのと同じことです。これを知らんぷりしてしまっては大変なことになってしまうことは想像できますよね。

換価猶予の申請

地方税に関しての法律では、「納税や差し押さえを行ったときに事業の継続や生活をしていくことが困難になる恐れがあるのであれば、申請を行うことで1年間は納付や差し押さえを猶予できる」となっています。なおこれは税金の支払いを必ず行うという意思があることが条件です。

言い換えると、「申請さえすれば、差し押さえだけでなく、税金の支払いも待ってくれる」と言えます。もし何らかの理由で、税金が支払えない状況である場合は、「換価猶予の申請」を行うべきでしょう。なお、この申請には納税の期限から半年以内に行う必要があるので、注意してください。

徴収猶予の申請

また地方税に関する法律では、「事情があって納税することができない人は、申請すれば最大1年は税金の徴収を猶予できる」となっています。

なお、猶予を認めてもらえる事情は以下の通りです。

・所有する財産が災害や盗難にあってしまった

・納税者自身や生計を共にする親族が病気にかかったり、負傷してしまった

・納税者の事業が廃止になったり、休止してしまった

・納税者の事業がひどい損失を受けてしまった

・もともとの納付期限から1年以上経過した後に、修正の申告などにより納付税額が確定した

もし上記の5点に該当する場合は、税金の支払いを待ってもらえる場合があります。自分が当てはまる場合は迷わず申請することをオススメします。

猶予が認められるとどうなるか

もし猶予の申請が通った場合は、猶予が認可された期間内に発生する延滞金の一部もしくは全額を免除してもらえます。

また気になる猶予期間ですが、申請者の収入や財産の状況で決まります。そして最短で滞納分を払い終えることができるであろうと想定された期間となり、最大で1年間と決められています。

そして、猶予の申請が通った税金は、猶予してもらえた期間に毎月分割して納めることが必須です。万が一、やむを得ない理由で全て払えなかった場合は、再度申請を行えば、最大で2年の延長を認めてもらえる可能性があります。

通知書とは何なのか

ここまで差押予告通知書がきてしまった場合の対応方法をご紹介してきましたが、そもそも差押予告通知書とは何なのでしょうか?よく分かっていない方も多いはずです。

ここからは「差押予告通知書」について、ご紹介していきます。

差押前の最後の通告

簡単に言うと、差押予告通知書は差押え前の最終通告と言えます。その内容は「今後も税金を支払わないのであれば、あなたの財産を差し押さえますね」という役所からのメッセージです。

税金を期限までに払わずに滞納してしまうと、まずは督促状が役所から郵送されてきます。この対応をしても支払わない方へ送られる通知書なので、最後の通告であることは理解できるでしょう。

指定された日までに滞納分を払う必要がある

手元に届く差押予告通知書には滞納分の支払い期日が記載してあります。その日までに支払わなければ、各自治体はお給料を差し押さえようとします。そうなってしまうと、勤務している企業に税金の滞納がある事実を知られてしまうことになります。

そして、お給料が押さえられると、毎月のお給料の一部が滞納分として引かれていくことになります。なお、滞納している税金が払い終わるまで毎月引かれていくと思っていてください。

差押予告通知書が届いて1ヶ月以内なら差押されなくて済む

差押予告通知書は最終通告であると前述しましたが、すぐに財産の差し押さえが執行されるわけではありません。1か月以内に支払っていない税金を払うか、換価猶予や徴収猶予の申請を行うと良いでしょう。

もし滞納した税金を支払う余裕がない場合は、勇気を出してご両親に相談し、一時的にお金を借りるのも良いかもしれません。

差押予告通知書が届くのはどんな人か

ここまでで差押予告通知書とは何か、なんとなく分かってきたかと思いますが、差押予告通知書は一体どんな状態の人に届くのでしょうか。ここからは差押予告通知書がきてしまうケースをご紹介していきます。

年金の未納が続いている人

ここ最近は年金の納付を行っていない人が全体の約40%もいると言われています。将来の年金受給を不安視する傾向もあり、支払わない方もいるのかもしれません。しかし年金を納付していない方には、差押予告通知書がきてしまいす。

国民年金の加入は法律で国民の義務となっています。そして被保険者は毎月決められた保険料を支払うことが必須です。つまり、日本国民である以上、年金を支払っていない場合は法律違反をしている人であることになります。

保険料の未納が続いている人

企業に属して働いていれば、社会保険に入っているので、保険料は毎月のお給料から控除されています。一方で個人事業主や失業中の方は国民健康保険に加入しています。

国民健康保険料を滞納する人は、法律で定められたルールに違反している人であることになります。そのため、保険料を支払っていない人にも差押予告通知書がきてしまいます。

税金の未納が続いている人

ご存知の通り、納税をすることも日本人の義務のうちの一つです。通常であれば、所得税や住民税は毎月のお給料から控除されているので、税金の未納とはならないでしょう。

しかし毎月のお給料から控除されている方でも、お給料以外に年間で合計20万円以上の所得があったり、年間で合計110万円以上の贈与があった方や、個人事業主などは自分で納税の手続きをしなければなりません。これらの税金を納めていない方にも差押予告通知書がくることになります。

差押に関する書類は全部で3種類ある 

ここまで差押予告通知書とは何か、どんな人に届くかをご紹介してきました。しかし、差し押さえに関する書類は差押予告通知書の他にも2種類あります。

ここでは差し押さえに関する3つの書類をそれぞれご紹介します。

差押予告通知書

これまでにご紹介していた通り、差押予告通知書は税金の滞納をしている状況で、督促状を送付してもなお納税がなかった場合に届くものです。手元に届いた時点で、差し押さえがいつでも可能な状態ですが、1か月の猶予があり、納税してしまえば何の問題もありません。

支払い督促

2つ目は支払い督促です。これは「裁判所が税金を滞納している人に対して支払うことを督促する」ものです。これは各自治体の役所から送られてくるわけではなく、裁判所から送られてくることになります。これが届いた場合、2週間以内に税金の支払いを行うか、異議申し立てを行う必要があります。異議申し立てを行った場合は、そのまま訴訟に入ります。

仮執行宣言付支払い督促

裁判所から支払い督促後、2週間が経過しても何のアクションもなければ、各自治体は仮執行宣言を申し立てることになり、「仮執行宣言付支払い督促」が送られてきます。この督促を受け取って2週間以内に支払いがなかったり、裁判所へ異議申し立てが行われなかった場合は、強制執行(差し押さえ)にうつります。

差押さえになるまでの流れ

年金や保険料や税金を支払わずに放置し、何も動かなければ、最後には財産が差し押さえされることになります。気になるのは、それまでの流れではないでしょうか。

ここでは差し押さえになるまでの流れのポイントをご紹介していきます。

①納付期限を過ぎると督促状が送られる

税金や保険料などを定められた期限までに支払わなかった場合、滞納している分を支払うようにと、まずは督促状が送られてきます。気になるのは督促状が送られるタイミングだと思いますが、各自治体によって違います。ただ納付期限から約1か月ほどと考えて良いでしょう。

この督促状は、これでも税金や保険料を支払わないのであれば、財産の差し押さえを行うことも視野に入れていますよというメッセージです。

②督促期限を過ぎると財産調査が行われる

督促状が送られても未納の税金や保険料を支払わない場合は、その人の財産を差し押さえする前に財産調査を行います。この財産調査では、銀行口座・生命保険・給与・不動産など、対象者の財産の状況を確認しています。また、戸籍や家族構成や勤務先などの身辺調査も同時に行われます。

③差押予告通知書が送られる

ここまでしても税金や保険料を支払わず、そして財産調査で差し押さえできそうな財産が確認されたときに、差押予告通知書の出番となります。

またそれだけでなく、差し押さえの対象がお給料の場合は勤務先に、預貯金であった場合は対象の金融機関へ差押通知が届きます。この点を見ても、差し押さえの準備が整っていることが分かると思います。

④差押さえが強制執行される

さらにそれでも税金や保険料を納付しない場合は、支払督促が裁判所から届くことになり、それでもアクションを起こさなければ、仮執行宣言付支払督促が送られてきます。それでも何も動きがない場合は、ついに財産の差し押さえに至ります。

税金の滞納時に債務整理すると差押さえは回避できる?

税金や保険料を払う必要があると分かっていても、なんらかの理由でなかなか金銭的に支払う余裕がない場合もあるでしょう。そんな方が差し押さえを回避したい場合、「借金のように債務整理でなんとかなるのではないか?」と考えることもあるかもしれません。

では税金の滞納は債務整理の対象となり、整理できるのか見ていきましょう。

任意整理の場合

税金や保険料の滞納は借金のように任意整理を行うことはできません。もし税金の滞納がある方が任意整理を考えている場合は、税金の滞納問題を先に解決した後で任意整理を行うことをオススメします。

その場合は各自治体の役所へ行き、正直に借金があり債務整理を検討していることを話し、支払い方法について相談すれば、支払いやすい方法に応じてくれるでしょう。

個人再生の場合

個人再生はマイホームなどを手放すことなく、借金を減らすことができる債務整理です。しかし、滞納した税金や保険料を借金のように減らすことはできません。そのため個人再生を行ったとしても、未納の税金や保険料はすぐにでも支払わなければなりません。

また税金や保険料の滞納が多額となっている場合は、個人再生を行えないことがあります。個人再生後に税金の滞納によって、差し押さえされてしまうと、返済が行えない可能性があるからです。

自己破産の場合

自己破産は裁判所へ借金を支払うことができないと申し立て、認められれば借金をゼロにすることのできる債務整理です。しかし残念ながら、滞納した税金や保険料をゼロにすることはできません。

もし自己破産を行った場合は、自己破産後に税金や保険料の滞納分を支払っていくことになります。自己破産を行った事実は役所も把握することになるので、支払い方法などについて相談すると良いでしょう。

税金などの滞納は債務整理では解決できない

法律上、税金や保険料の滞納はどの借金よりも優先されることになります。それは税金や保険料の支払いが法律で義務付けられているからです。そのため、どの債務整理においても、税金や保険料の滞納分は対象外であり、滞納分の減額や免除をすることは絶対にできません。

むしろ、税金や保険料の滞納があることで、債務整理ができないケースがあります。もし債務整理を考えている場合は、担当の弁護士や司法書士の方と各自治体に滞納分の支払いを相談するようにしましょう。

差押予告通知書が届いたら猶予申請を考えよう

差押予告通知書についてご紹介してきましたが、何となく理解していただけましたか?税金・年金・国民保険を支払うことは私たち国民の義務です。しかし税金は決して安いとは言えませんよね。どうしても支払いが難しいこともあると思います。

そんな場合は各自治体の役所に行き、支払いができない旨を伝え、今後の支払い方法について相談すると良いでしょう。おそらく、話し合いに応じてくれると思います。

また万が一、差押予告通知書が手元にきた場合は、そのまま放置することは絶対にしないでください。手遅れになってしまう前に猶予申請を検討してみると良いでしょう。