自己破産しても所有し続けられる自由財産とは?【用語とその内容を解説!】

自己破産をすると、財産全てを失うと思い込んでいませんか?実は自己破産でも、自由財産として一定の現金などを手元に残すことが認められています。

この記事では自由財産の詳細や、自由財産を拡張する方法を解説。あわせて借金問題解決の専門家も紹介しているので、あなたの債務整理の参考にしてください。

自由財産とは何か

何か

あなたは、自分には「自由財産」があるということを知っていましたか?自由財産とは、自己破産をした時に放棄せず、手元に残しておける財産のことを指します。

最初に、自由財産の目的や必要性についてご紹介していきましょう。

自由財産制度の目的とは

自由財産制度は、破産者保護のために設けられた制度です。

自己破産すると全ての借金の返済義務が消滅する代わりに、所有財産は取り上げられて、裁判所によって債権者に分配されます。これは債権者の権利を守るためですが、逆に破産者も丸裸では生きてはいけません。

そのため、必要最低限の財産所有が認められています。

自己破産のときに処分しなくて良い財産

一般的に破産をすると、所有する一切の財産は放棄しなくてはいけません。その中でも破産財団に属すことなく、特別に破産者が自由にできるのが、「自由財産」。といっても、自分で種類や量を選ぶことはできません。

どんな財産をどれぐらい手元に残せるかは、全て破産法などの法律の規定で細かく決められています。

認められる自由財産は5つに分けられる

破産者に認められる自由財産は無制限ではなく、法律では次の5つに分類されています。破産しても手元に残しておける財産の詳細を、それぞれ説明していきましょう。

99万円以下の現金

自由財産としてまず認められるのは、99万円以下の現金です。日本のどこに住んでいても、この程度の現金があれば当座の生活に困ることはありません。

注意したいのは、認められるのはあくまでも「現金」であること。例えば現金40万円が手元にあって、預金が59万円あっても、残せるのは現金40万円だけです。破産手続き開始後に預金に手を付けることはできません。

新得財産

「新得財産」とは破産手続開始決定後に得た財産のこと。例えば、勤め先からの給与などですね。これについては破産財団には属さず、自己破産が決定してもそのまま自由財産として手元に残すことが認められます。

ちなみに裁判所から破産手続開始決定が出るのは、自己破産の手続きを開始してから1週間程度が経ってから。給与などの収入が入る予定がある場合は、新得財産になるように手続き開始の日付を調整するのもアリですよ。

差押禁止財産

「差し押さえ禁止財産」とは、法令でいかなる場合でも差押えされないと保証された財産のこと。これらは生活に最低限必要なものとして、自由財産として認められます。

差押え禁止財産には様々なものがありますが、例えば贅沢品には当たらない布団やタンス、食器などの生活必需品が該当します。また年金や社会保険、生活保護などの公的受給も差し押さえの対象になりません。

自由財産拡張で認められた財産

法律で保証されている財産以外にも、自由財産拡張の申し立てをすることによって、裁判所から保有が認められる財産もあります。

解約返戻金のある保険で、どうしても解約できないものなどが認められた事例もありますが、どういうものが自由財産の拡張に認められるかは、あくまでもケースバイケース。申し立てを受けて裁判所が破産管財人に意見を聴き、必要に応じて拡張が認められます。

破産管財人が換価しない財産

その他にも、破産管財人が換価をあきらめて放棄した財産も自由財産として所有することが認められます。

破産管財人は破産者の財産を詳しく調査し、適正な金額で現金化して債権者に分配しますが、解約するだけで多額の損金が出る保険や、共同名義で分割売却できない不動産などは分配できず、放棄せざるを得ません。

ただし最終的な判断は裁判所がするため、やむを得ない場合のみにしか認められないのが実情です。

自由財産のおかげで自己破産後の生活に心配しなくて済む

 

自由財産は破産者が人並な生活をするために認められた、大事な権利です。

これから借金の債務整理の方法として自己破産を検討する場合は、正しく理解しておきたいですね。

自己破産したから無一文になるわけではない

自己破産をすると、財産や持ち物が全て取り上げられてしまうというイメージを持つ人は多いもの。ですが実際には、全くの無一文になるということはありません。

裸同然で路上に放り出されることを恐れて自己破産に踏み切れない人もいますが、自己破産は怖くありません。安心して手続きを進めて大丈夫です。

債務者の経済的な更生を図るのが破産法の目的

そもそも自己破産をはじめとする債務整理は、生活に困窮するほどの借金を抱えた人の救済が目的です。借金が返せないなら財産を取り上げる、という趣旨の制度ではありません。

自己破産はあくまでも負担になっている借金を清算して、改めて生活を始めるためのスタートです。前向きに検討して、生活の立て直しを計りましょう。

自由財産が関係する自己破産について

自由財産や自己破産について、名前は知っていても詳しくは知らないという人も多いですよね。

自己破産は、借金の返済がどうしてもできないときにとれる最終手段。自己破産について正しく理解しておきましょう。

自己破産は債務整理の手段の1つ

自己破産は借金の返済負担を軽くするための、債務整理の手段の一つです。同じ債務整理にも、任意整理・特定調停・個人再生と種類がありますが、自己破産はその最たるもの。

他の手続きのように返済額を減らして負担を軽くするものではなく、法的に返済の免除を受け、借金そのものをゼロにする手続きです。

自己破産するとどうなるのか

自己破産が宣告されると、どれほど高額な借金を抱えていても、もう借金を返済する必要がありません。多重債務で首が回らなくても、一切の苦しみから解放されます。

財産を失うなどのデメリットがあっても、自己破産は無職で収入がない場合や、所有財産が少ない人にとって効果的な債務整理の手段です。

自由財産は申請すれば拡張が可能!

可能

破産しても自由財産として一定の現金などが手元に残りますが、自由財産の拡張を申し立てればさらに幅広い財産を手元に残すことができます。

賢い制度の利用の仕方や、注意点をご紹介しておきましょう。

自由財産の拡張制度とは

自由財産の拡張制度は、破産する人の個々の事情に応じて財産の拡張を認める救済制度。破産する人の生活状況は一人ひとり違い、必要とする財産はさまざまです。

破産法では、裁判所の決定を受けさえすれば、万人に担保されている現金などの自由財産に加えて、新たな財産を手元に残しておけることを保証しています。

どんな場合に自由財産を拡張できるのか

自由財産の拡張は破産者に認められた重要な権利ですが、一般的に裁判所が認めるのは、その財産を失うと生活が立ち行かなくなる特別な事情がある時のみ。

例えば難病を患っていて、一旦解約すれば二度と生命保険に加入できない場合や、足に障害があって、自動車を失うと生活が立ち行かない場合などが該当します。

自由財産拡張の手続き方法

自由財産の拡張を希望する場合は、破産者が裁判所に拡張の申立書や、上申書を提出する必要があります。あらかじめ破産管財人とも相談をしておくといいでしょう。

手続き期間は破産手続開始決定の確定日以後1ヵ月を経過するまでとされていますが、破産手続き開始する時にあわせて行っておくと安心です。

同時廃止事件の場合自由財産は拡張できない

自由財産の拡張で一つ注意をしなくてはいけないのは、同時廃止事件の場合は、拡張が認められないということ。

自己破産は裁判所で「事件」として扱われますが、負担に応じて「管財事件」と、「同時廃止事件」の2つの種類に分かれます。事件種類による自由財産の拡張に関する違いを解説していきましょう。

自由財産拡張は破産管財人の意見を聴くことになっている

自由財産の拡張の手続きは法律で定められている通り、裁判所が破産管財人の意見を聴取して決定します。

破産管財人とは、破産手続をする際に財産や免責の調査を行い、換価や債権者への配当などの重要な業務を行う専門家。自由財産の拡張に関しても、裁判所に対してさまざまな意見を述べる程の影響力があります。

同時廃止事件では破産管財人が選任されない

同時廃止事件で申し立てをしても自由財産の拡張ができないのは、そもそも同時廃止事件には破産管財人が選任されないからです。

破産者が配当できる財産を所有していない場合は「同時廃止事件」に振り分けられ、財産調査などが不要なことから、破産管財人が選任されません。

管財事件の場合のみ自由財産を拡張できる

自由財産の拡張ができるのは、破産管財人が選任される「管財事件」のみに限られます。管財事件に該当するのは破産者が自由財産を超える多くの財産を持っている場合のみ。

破産管財人によって財産調査をし、債権者に適正に配当する必要がある場合だけ制度を利用できると覚えておきましょう。

自己破産したときの自由財産については専門家に相談を

相談

自己破産をする際に自由財産を拡張したい場合は、次のような弁護士や司法書士などの借金トラブルに強い、プロのアドバイスを受けるといいでしょう。

専門家に相談をすれば、難しい法律的な手続きも安心ですよ。

東京ロータス法律事務所

東京ロータス法律事務所は東京に拠点を置く、大手の法律事務所。任意整理をはじめとする債務整理の実績が豊富で、全国から土日を問わず、メールや電話で借金問題の相談を受け付けています。

価格設定が比較的リーズナブルで、分割払いにも対応している法律事務所なので、借金の返済に困窮している人におすすめです。

アヴァンス法律事務所

アヴァンス法律事務所はテレビCMなどで宣伝をしている、知名度の高い業界大手の法律事務所ですね。こちらも債務整理の実績が豊富で、減額報酬や過払い報酬も請求しない良心的な料金体制で人気があります。

女性専用窓口「アヴァンスレディース」も完備しているため、返済できない借金に悩む女性にもおすすめです。

東京ミネルヴァ法律事務所

東京ミネルヴァ法律事務所は東京に事務所をかまえる法律事務所ですが、全国で無料の出張相談会を巡回開催していることでも有名。メールや電話での無料相談にも対応していますよ。

丁寧に相談を聞いてスピーディーに対応してくれると評判の良い事務所なので、自己破産についても相談をしてみるといいでしょう。

ウィズユー司法書士事務所

大阪に拠点を置くウィズユー司法書士事務所は、関西エリアに住んでいる人におすすめ。司法書士事務所ですが業務範囲は幅広く、自己破産に関しても実績が高いため、安心して相談できますよ。

悪質な闇金との借金トラブルの実績も豊富なので、しつこい取り立てに悩んでいる人は一度相談してみたらいかがでしょうか。

自由財産は自己破産の際手元に残せる財産を指す

自己破産をしても、自由財産として手元に残せる財産があります。自由財産は借金トラブルを根本から解決し、新たなスタートを切るための大事な資金です。

法律で保障されている財産は多くないものの、場合によっては自由財産の拡張ができ、自己破産後の生活がもっと楽になるかもしれません。借金問題のプロにも相談をして、賢く活用したいですね。