80万円の借金は自己破産できる?その場合どんなデメリットがあるの?

自己破産は借金がゼロになるという大きなメリットを秘めていますが、80万円という借金には、あまり得策には思えません。

実際に、金額に関わらず、返済能力が見込めない債務者は自己破産することができますが、やはりデメリットが大きいと感じてしまいます。

今回は、80万円という借金でも自己破産できるのか、またデメリットについて、詳しく解説していきたいと思います。

借金80万円でも自己破産は可能

自己破産とは、債務整理の中で、最も借金の減額率の高い方法です。

結論からいうと、自己破産によって、借金はゼロになり、債務者は借金から解放されることになります。

借金の金額が高ければ高いほど、自己破産による恩恵は大きく、債務者にとって、最後の光というべき債務整理です。

しかし、自己破産には一定の条件を満たしていなければならず、誰でもできるというわけではありません。

逆に一定の条件を満たしていれば、借金が80万円であっても、自己破産は可能になります。

以下について、それぞれ解説していきます。

条件①  借金が返済できない状態であること

自己破産はまず、借金が返済できない状態でなければ、認めれることはありません。

仮に借金が返済できる状態にあれば、他の債務整理を選択するよう、裁判所から通達されることになります。

自己破産の決定権は、債務者でも、債権者でもなく、裁判所にあるということを頭に入れていく必要がありますね。

また、債務整理の中で、債務者が借金の返済ができない状態で利用できるのは、自己破産だけです。

条件②  借金をした理由が免責不許可事由にあたらないこと

連帯保証人になってはいけない

自己破産の決定を下す上で、重要となるのが、免責というものになります。

免責とは、簡単に言うと、借金の理由になり、どういった経緯で借金に至ったかという部分を、裁判所は重要視します。

以下について、それぞれ解説していきます。

免責不許可事由とは

免責不許可事由とは、裁判所が認めることのない、借金の理由になります。これに該当する理由で借金に至った場合は、自己破産がかなり難しくなってしまいます。

しかし、100%認められないというわけではなく、あくまでも裁判所が判断するので、その限りではありません。生活費や趣味などについては、免責不許可事由には当たりません。

よくある免責不許可事由

代表的な免責不許可事由といえば、ギャンブルなどが挙げられます。特に、株やFXなどのハイリターンが見込めるギャンブルは、ほとんどのケースで、免責不許可事由となります。

ただし、パチンコなどの大衆ギャンブルについては、免責を認められることもあるそうで、正直申請してみないとわからないです。上記にも記載しましたが、免責を認めるか認めないかは、裁判所に委ねられています。

自己破産のメリットデメリット

自己破産の大きなメリットである、借金ゼロは、周知されているかと思いますが、その他のメリットや、デメリットなどはあまり知られていないですよね。この大きなメリットに対してなので、当然デメリットも大きなものになっています。

以下について、それぞれ解説していきます。

メリット

メリット支払いの義務がなくなる

自己破産によって、全ての借金の支払い義務が一切なくなります。つまりは、借金がゼロになるということで、債務者は心機一転、人生をやり直せるというところです。

今まで、借金を抱えて、必死に生きてきたと思いますが、自己破産によって、一気に身体が軽くなったはずです。この自己破産をきっかけに、二度と借金をするようなことはせず、誠実に生きていきたいところですね。

一部の財産は手元に残せる

自己破産すると、全ての財産を手放さなければいけないと思っている人は多いと思います。実際は、生活に必要なものであれば、一部手元に残すことができます。

例えば、贅沢品の象徴である車ですが、交通機関の整備されていない田舎など、通勤などに必要と判断されれば、処分を免れることができます。このように、いくら借金をゼロにするからといって、全ての財産を処分するわけではなく、生活する上で必要最低限な財産は残せます。

デメリット

デメリット財産を処分される

メリットに挙げた、生活に必要最低限の財産以外は、全て処分対象となります。そのため、場合によっては、自己破産後は一つも財産が残らないなんてことも考えられます。

なので、大きな財産を所有している人は、自己破産に中々踏み出せないことになります。自己破産においては、このデメリットを理解した上で、行う必要があるのです。

クレジットカードが最低5年作れない

自己破産すると、個人信用情報機関に事故記録が登録されるので、クレジットカードの作成ができなくなります。いわゆるブラックリストに登録される状態になり、様々な機関から、問題ある人物としてマークされます。

特にクレジットカードは、現金がなくても決済でき、さらにキャッシング枠が付いていれば、お金を借りることもできます。このようなカードを持たすことは、債権者にとって、不安でしかないので、当然規制されることになります。

ローンが最低5年組めなくなる

上記のクレジットカードの件と同様で、ブラックリストに登録されると、最低でも5年は規制がかかったままです。ローンとなると、一度債権者が全額支払った後に、債務者にその金額の返済を求めるものになります。

しかし、ブラックリストに載っている、なおかつ自己破産した債務者に、その返済する能力は皆無です。そのため、債権者にとって、債権回収不能となる可能性が高く、またリスクも高いことから、規制されます。

職業や資格に制限がかかる

自己破産することによって、一部の職業や資格に制限がかかることになります。その職業や資格は多くあるので、ここには全て記載することはできませんが、代表的なものといえば士業などが挙げられます。

特に資格がないと働くことのできない職業であれば、一度退職扱いとなり、制限期間が経過するまで、復帰することができません。このように、職業や資格に制限がかかると、その後の収入に大きく不安を覚えることになりますね。

官報に掲載される

自己破産者は、一般的に公になることはないですが、裁判関係者において発行されている官報には、その名前と住所が記載されます。もちろん、この官報は世の中に出回るものではなく、一部の裁判関係者の間でしか、閲覧することはできません。

しかし、限定的とはいえ、こういったものに、名前などが載るということは、あまり良いものではないですよね。自己破産する際は、官報に掲載されるということを覚悟しておく必要があります。

借金が80万円の場合は債務整理を検討するのもあり

自己破産は、とても大きなメリットを秘めており、魅力的ではありますが、デメリットを鑑みれば、80万円という借金であれば、他の債務整理を検討するほうが良いかもしれません。もちろん、返済できる能力がなければ自己破産しかないですが、返済できる能力があれば、あまり自己破産はおすすめしません。

以下について、それぞれ解説していきます。

任意整理

債務整理の中で、唯一裁判所を通さず、債権者との話し合いによって、借金の解決を図ることができます。この任意整理は、債務整理の中で、最も利用者の多い方法になります。

以下について、それぞれ解説していきます。

メリット

債務者は任意整理によって、利息カットを認めてもらえることになり、その後の借金返済が一気に捗ります。また、裁判所を通さないので、裁判所費用が発生することなく、費用コストが抑えられます。

弁護士や司法書士などの専門家を間に入れるので、直接債権者と話し合うことはなく、言いなりになりにくいという特徴があります。

デメリット

債権者は利息カットを引き換えに、3年以内での完済を求めてくるので、完済が見込めなければ任意整理できません。また、任意整理は債権者が話し合いに応じてくれることが前提なので、仮に話し合いに応じてくれなければ、成立しないです。

そして、専門家を立てる必要があるので、どうしてもそこに費用がかかってしまうということです。

個人再生

利息は増える

借金が多ければ多いほど、その恩恵がある個人再生は、最大で4/5もの借金の減額が図れます。自己破産のように借金が帳消しになることはありませんが、自己破産ほどのデメリットも無いのでより効果的な解決ができます。

以下について、それぞれ解説していきます。

メリット

やはり大きなメリットは、その減額率にあり、最大で借金が1/5になります。そして、最低弁済額というものに則り、債務者は借金を返済していくことになります。

また、自己破産のように、所有する財産を手放す必要はなく、財産を残せます。

デメリット

個人再生を利用することで、ブラックリストに登録され、最低5年はローン組みなどができなくなります。任意整理と同様に、返済する能力がなければ、個人再生を利用することはできません。

自己破産と同じように、官報にその名前と住所が記載されることになります。

自己破産や債務整理以外に検討したい手段は?

借金の解決に迷ったら、債務整理が最適といえますが、状況によっては、他の方法を考えた方が良いときもあります。それは、債務整理によるデメリットを鑑みて、債務者に大きく不利益となる場合です。

以下について、それぞれ解説していきます。

家族や知人に借りて返済する

80万円で自己破産となると、そのデメリットを考えても、あまり得策ではないといえます。そのため、家族や知人に肩代わりしてくれる人がいれば、借りるという手の方が無難です。

そのほうが、利息なども掛からないことも多く、債務者にとってメリットが多くあります。

家計の収支を見直して返済金をねん出する

一度自分の収入と支出を見つめなおしてみることが良いです。そのためには、家計の収支を見直す必要があり、なんとか返済するお金を捻出していくことが大切です。

収入は決まっていますが、支出については、意外と減らせることが多く、ある程度の返済金を作ることも可能です。

金利が高い場合は低金利のローンを検討する

現在の借入先の金利が高いのであれば、その後の返済において、弊害となってきます。なので、出来る限り低金利のローンへ借り換えを検討することで、長期的に見た時に大きく得になります。

実際、低金利ローンの審査は厳しいところが多いので、債務者の収入や信用情報が重要になってきますね。

どんなケースだと自己破産の方が良いの?

安定した収入の目処が立っていない

安定した収入がある債務者に自己破産は認められず、他の債務整理を勧められることになります。なので、仮に病気などで安定した収入が得難く、任意整理で立てた返済計画を履行できない場合には、自己破産の方が良いです。

むしろ、そういった場合にできる債務整理は、自己破産しかありません。

免責不許可事由の借金でない

自己破産を認められるために重要な免責ですが、この免責が不許可事由に当たらない場合は、自己破産できます。正直自己破産できるといっても、最終的な決定を下すのは、裁判所であるので、一概に言えることではないです。

ただし、株やFXなどのハイリターンなギャンブルについては、認められたケースはほとんどありません。

過去7年以内に自己破産をしていない

自己破産は回数を重ねれば重ねるほど、その承認のハードルは上がります。そして、2回目以降であると、7年以上の空白期間がなければ、自己破産することはできません。

これは、法律で決まっている話であり、いくらその他の条件を満たしてしても、7年以内に自己破産していれば、認められないことになります。

自己破産か債務整理か悩んだらプロに相談すると良い

専門家

自己破産のメリットやデメリットに触れてきましたが、正直なところ迷ってしまいますよね。自己破産以外にも、債務整理はあるので、80万円という借金を考えると、自己破産一択という風には決めつけることはできません。

そんなときは、専門家に相談してみることが良いと思いますよ。以下について、それぞれ解説していきます。

裁判の手続き行う場合は知識が必要になる

自己破産を含めた、どの債務整理にするのかもそうですが、裁判の手続きにおいては、知識が必要になります。そのため、自分で行うと慣れない上に、相当手間がかかってしまいますので、最初から専門家に相談しておいた方が良いです。

実際に債務整理を行うことも含めて、専門家に相談しておくと賢いといえますね。

自己破産につよい弁護士事務所を選ぼう

ひと口に専門家といっても、それぞれ強みがあるので、仮に自己破産を選択したのであれば、自己破産に強い弁護士事務所を選択することです。ここで重要なのが、司法書士事務所ではなく、弁護士事務所を選択するというところです。

司法書士事務所では、どうしても一部介入できない部分があり、債務者の手間となってしまいます。なので、費用がかかってでも、弁護士事務所に相談しておく方が得策ということです。

80万円の借金で自己破産する場合はよく検討しよう

このように、自己破産について、多くを学べたかと思います。実際に80万円という借金を自己破産するには、メリットよりもデメリットの方が大きいと考えてしまいます。

仮に債務者が返済する能力がないというのであれば、仕方ないのですが、返済する能力があるのであれば、他の債務整理を選択する方が良いかもしれません。自分だけでは答えを出せないということであれば、専門家に相談した上で、結論を出すと良いですね。