給与が差し押さえられる理由と対処法を解説!

普通に生活していれば給与が差し押さえになることはまずありませが、仮に借金や税金などの滞納があればその可能性も否定できません。債権者にとっても、債権を回収することに必死ですし、このような事態になったのは債務者の対応がマズいことが多いです。

今回は、給与が差し押さえられる理由とその対処法について、詳しく解説していきたいと思います。

Table of Contents

給与が差し押さえになる理由は?

理由・原因

借金や税金など、支払わなければならないものがある場合、基本的には本人の意思によって、その支払いは行われます。しかし、決められた期日を大幅に超過するなどの場合、給与を差し押さえて、強制的に支払いをさせることがあります。

ローンやクレジットカードの支払金を一定期間滞納していた

ローンの支払いやクレジットカードの利用分を滞納することによって、給与が差し押さえられることがあります。これはいわゆる強制執行という形になり、支払いの意思の見えない者の給与を差し押さえることで、債権者は返済とします。

この給与の差し押さえは、法律に基づいて行っているので、違法ではありません。

税金を一定期間滞納していた

国民の三大義務である納税、これを怠っている場合にも、給与の差し押さえがされることがあります。市民税・国民保険・国民年金などなど、様々な税金の支払い義務はありますが、どれも必ず支払わなければなりません。

そのため、国や地方自治体としても、給与の差し押さえをしてでも、納税させるのです。

給与差し押さえとはどういう状態?

どういう状態?

実際に給与の差し押さえとは、どのような状態となっているのでしょうか?これは、差し押さえする側のエゴでもなんでもなく、きちんとした手続きに則って、行われることになります。

債権回収方法として実行される

給与の差し押さえは、債権の回収方法の1つとして実行されます。そのため、この行動には正当性が認められることになり、差し押さえられた側は、この差し押さえを取り消すことはできません。

債権を回収する側も、再三における督促に応じない債務者に対して、確実に回収する方法を模索するのは当たり前のことです。

強制執行の一種

差し押さえという回収方法は、強制執行の一種とされており、債権者の最終手段となります。多くは、裁判所を通した訴訟による手続きを踏み、決して違法な取り立てではないということがいえます。

債務者からすると、少々強引に思えるかもしれませんが、それは債務者の今までの行動に信用がないため、強制執行されても文句はいえません。

裁判所を通さないものもある

債務者からの債権回収において長期間にわたる督促をもってもその回収が難しいと債権者が判断した場合、給与の差し押さえを実行することになります。多くの場合は裁判所を通して手続きを行うのですが、不動産に抵当権などを設定している場合や公正証書を交わしている場合であれば、裁判所を通さずとも、強制執行ができます。

このような債権者に有利な条件を契約の際に、あらかじめ設定しておくことにより債権回収の手間を省いているのですね。

給与は全額差し押さえになるわけではない

ない

確かに、給与が差し押さえになるまで、何のアクションも起こさない債務者が悪いことはわかりました。ですが、債務者にも生活がありますので、どうにかならないものなのでしょうか?

差し押さえられる金額は税金控除後の1/4まで

民事執行法という法律に基づいて、差し押さえできる金額は決められています。それによって、所得税などの控除分を差し引いた金額の1/4までしか、差し押さることはできないと定められています。

そのため、半分以上が手元に残るので、生活できないほどの差し押さえを、されるわけではないということです。

ただし控除後金額が月44万を越えるときは違う

上記によって、給与の差し押さえをされても、決して全額持っていかれるわけではないことがわかりました。しかし、これは給与が44万円を下回る場合であり、仮に給与が44万円を超えている場合は、33万を超える部分は全て差し押さえの対象となります。

このように、給与の金額によっては、ほとんど給与が残らないケースもあるので、注意したいですね。

全額差し押さえしてしまうと生活ができなくなるため

このように給与の差し押さえは債権者にとって債権を回収する最終手段ですが、債務者の生活を保護することも考えなければいけません。債権者からすると非常に悪質な債務者ではありますが、仮に給与を全額差し押さえるようなことになれば債務者は生活することができなくなります。

そのため、民事執行法で差し押さえの限度額も決まっていますし、債務者もこの差し押さえに対して、異論を申し立てることができます。

給与が差し押さえになる流れ

流れ

債務者にとって、給与が差し押さえられるということは、完全に債権者の反感を買っているということです。しかし、この執行は決して突然始まるわけではなく、債務者もこの強制執行を止めるチャンスは何度もあります。

ローンやクレジットカードの滞納の場合

①電話・郵便で督促が来る

まず、滞納している借金の督促が、債権者から債務者にされることになります。この場合、電話または郵便で行われることになり、早急な返済を債務者に求めます。

ここで、返済に応じているようであれば、次のステップは存在しないことになります。

②残額の一括請求書が来る

再三の督促にも全く応じない場合、債権者は契約に基づいて、残額の一括請求を行います。多くのケースでは、通常の督促にも応じない債務者が、一括請求に応じることなど到底できません。

この場合、債権者はあくまでも債務者の連絡を促すということになります。

③債権者から支払い督促が申し立てられ裁判を起こされる

いよいよ、債権者は今後の返済の見込みがないと判断し、裁判所に支払い督促の申立てを行います。裁判所もこの申立てを受理し、債務者に対して、債権者からではなく、裁判所からの督促に代わることになります。

そして、裁判となり、債務者は裁判所への出廷を命じられます。

④仮執行宣言付支払い督促が確定する

このような裁判においては、ほとんどのケースで債権者の申し立てが認められます。そうなると、裁判は債権者が勝訴し、仮執行宣言付支払い督促が確定することになります。

こうなってしまうと、債務者はどんな強制執行を受けても、その督促に応じなければならなくなります。

⑤給与の差し押さえが可能になる

給与の差し押さえが裁判所で認められることによって、債権者はそれを行使し、債務者は債権を強制的に返済する形になります。債権者も給与の差し押さえによって、確実に債権を回収できることになり、債権の回収不能という事態を回避することができました。

もちろん、生活できる範囲の給与が差し引かれますが、場合によっては、かなりの給与を差し引かれることもあります。

税金滞納の場合

①督促状が発行された日から起算して10日が経過する

国民の三大義務である納税なので、全ての人が決められた期日までに支払わなければいけません。基本的に、督促状の発行から10日を経過すると、給与の差し押さえができることになっています。

極論をいえば、借金よりも税金を優先して支払う必要があり、納税を怠ることは国は認めていません。

②給与の差し押さえが可能になる

原則として、督促状の発行から10日経過した後であれば、法的にいつでも給与の差し押さえが執行できます。差し押さえの限度額などは、借金のケースと同様であり、生活の保障はある程度されることにはなります。

それでも、できれば給与が差し押さえになる前に、役所などに相談しておくことで、差し押さえ以外での解決法を模索できます。

給与を差し押さえられるとどんな影響がある?

影響

給与を差し押さえられるということは、生活に大きく支障ができるわけですが、影響はそれだけではありません。職場や家族にまで、給与が差し押さえられた事実がバレてしまうということになりかねません。

以下について、それぞれ解説していきます。

手取りが減るので生活に支障が出る

いくら全額は差し押さえられないからといっても、給与の1/4も差し押さえられると、確実に生活に支障がでます。多くの人は、毎月のある程度決められた収入の中で、生活を計画していくので、そのバランスが崩れることになります。

家賃などの固定費は最優先としても、食費などの変動費に大きく影響し、まともな食事ができないことも充分考えられます。

勤務先に借金していることがバレる

給与が差し押さえられるということは、職場にその事実が伝わっていることになります。そして、総務課から実際に所属しているグループまで、その事実が拡散していくことは必至です。

そうなると、周りの目を気にして働きづらくなったり、仕事の生産性が落ちることにも繋がります。

給与が減るので家族にもバレる可能性がある

独身であれば、給与は自分だけの生活費になるので、まだ良いですが、家族がいる人であればどうでしょうか?もちろん、給与が減ったことはすぐにバレてしまいますし、生活が困窮してしまうことにもなります。

また、この件で一気に夫婦仲が悪くなり、最悪のケースとなってしまう可能性もありますね。

給与が差し押さえになったときの対処法は?

対処法

税金については債務整理は行えませんが、借金については債務整理は行えます。また、借金によって税金の支払いが難しい場合なども、債務整理は非常に有効な手段といえます。

個人再生を行う

借金が大幅に減額となる個人再生では、最大で4/5もの借金がカットされることになります。裁判所を通しての債務整理ですが、債務者にとって、その恩恵は非常に大きいものとなっています。

債権者より、3年ないし5年以内での完済を求められることになるので、継続して安定した収入があることが条件です。また、自己破産のように、所有する財産を放棄する必要がないため、財産の多い人にはとても有効な債務整理です。

自己破産を行う

同時廃止とは?

自己破産を行う際に、財産がなく、破産手続きの費用が捻出できないとなった場合の手続きです。もちろん、同時廃止は、財産がない債務者の自己破産なので、財産の処分はされません。

また、この同時廃止は、自己破産する人の多くが、これに当たるそうで、もっともポピュラーな方法であることがわかります。自己破産に至る人は、その財産などをお金に換えていることが多く、当然といえば当然になります。

管財事件になるとは?

自己破産の際に、財産がある場合は、この管財事件というものになります。裁判所の選任した破産管財人という人物が、その財産をお金に換えて、借金の返済に充てます。

これにより、自己破産した人は所有する財産を処分されることになります。お金にできるものは全て換金し、借金に充てることは常識的に考えても当たり前のことですね。

給与差し押さえは自己破産か個人再生で解除することが可能

このように、給与の差し押さえについて、詳しく触れてきました。結果、債権者からの督促にきちんと応じていれば、決して給与の差し押さえにはならないことがわかりました。

結局のところ、給与の差し押さえは、債権者にとっての最終手段ということで、債務者はそうならないように立ち回ることが大切です。また、仮に給与の差し押さえになっても個人再生または自己破産によって解除することができるので、債務者の最終手段として検討してみてはいかがでしょうか?