海外に渡航している間も借金に時効は適応される?踏み倒しは可能?

海外に渡航している間も借金に時効は適応される?

借金を抱え込んだとき、「時効がくるまで、海外に逃げてやり過ごしたい」と考える人も中にはいるのではないでしょうか。ただし海外逃亡で借金から完全に逃げ切れるかは、難しいところです。と言うのも、借金の時効が成立するには最長10年の期間を必要としますし、それはあくまでも債権者がその間何のアクションも起こさなかった場合という条件付きだからです。

この記事では借金の時効や借金を踏み倒す海外渡航のリスク、債務整理の方法を解説していきます。誤った判断でトラブルを抱え込む前に、しっかりチェックしていきましょう。

この記事を読むとわかること

・海外に渡航している間も借金の時効は停止するのかどうか

・海外に渡航して借金の時効を待つことのリスク

・海外に渡航して借金の時効を待つ以外にできること

海外に渡航している間も借金の時効は停止されない

海外に渡航している間も借金の時効は停止されない

借金の時効には出国による停止の規定が無い

実は、借金の時効は国外に逃亡しても進行し続けます。最後に借金を返した日を起算日として、それから5年もしくは10年の間返済をしなければ、時効の援用ができます。

殺人や横領などの刑事事件の場合は出国した段階で時効の進行が停止しますが、借金には停止の規定がありません。返済しきれない借金を抱え込んだ時に、借金を踏み倒して海外に逃げるという方法は、法律上できないことではないのです。

海外まで追い掛けてくる金融業者は中々いない

余程の大金ならありえなくは無いことですが、海外のどこに逃げたかも分からない債務者をわざわざ追い掛けて探そうとする債権者はそうそういません。債務者を探すコストを考えると、貸したお金を超えてしまう可能性が高いからです。そんなことをしなくても債権者は借金の時効を中断できます。

とは言え、この理屈はそっくり債務者にも当てはまります。時効の援用ができるようになるまでに必要な海外での費用を考えると(余程物価が安い地域なら話は別ですが)、大人しく借金の返済をする方が裁判を起こされる不安に駆られることもなく、精神衛生上良いかもしれませんよ。

海外に渡航して借金の踏み倒しを狙うのは詐欺罪になる?

海外に渡航して借金の踏み倒しを狙うのは詐欺罪になる?

借金踏み倒しで詐欺罪に問うのは難しい

借金の踏み倒しが詐欺罪になるかどうかの重要なファクターとして、以下の4つの条件を全て満たす必要があります。

  1. 欺罔行為:加害者がそのつもりで被害者を騙した
  2. 錯誤:被害者が騙された
  3. 処分行為:錯誤により被害者が財産を処分した
  4. 占有移転および利益の移転:被害者が加害者、あるいは第三者に処分した財産を渡した

この中で1.の欺罔行為に当てはまるのは、次のような場合です。

  1. 返済する意思がそもそも無い
  2. 返済する能力が欠けている、あるいは無い
  3. 借りる際に嘘の申告をする

この3つの場合の内、3.は比較的証明がし易いものです。勤務先や年収、連帯保証人の情報などは調べればすぐ分かるものですからね。

しかし、残りの2つは嘘だと証明するのは非常に難しいのです。日本では証明する責任があるのは原告側、この場合は債権者にあります。しかし、被告である債務者が「借金したときは返済するつもりでいた」だったり「騙そうとは思っていなかった」と主張しているのなら、それが嘘だと示せるだけの証拠を提示する必要があるのです。はたから見ればどれだけ疑わしいと思っていても、証拠が無ければ詐欺罪に問うのは難しいのです。

詐欺利得罪に問われるケースはある

一方で、詐欺罪には詐欺利得罪というものもあります。これはお金や不動産のような可視的な財産では無く、目には見えないものの間接的に経済的な利益を得た場合が対象になる罪です。

例えば「父(母)が重い病気になり、入院費や心労などで借金返済どころでは無かった」と嘘の理由を言って、借金の返済を免除してもらうことが該当します。これはお金を受け取ってはいませんが、借金の返済を免除されたことで結果的に利益を得ているので詐欺罪に当たるのです。

この場合、入院費などの領収書で証拠を求められることは間違いないでしょうからそれが示せない場合は詐欺罪として刑事事件になると見て間違いでしょう。

海外に渡航して借金の時効を待つリスク

海外に渡航して借金の時効を待つリスク

海外に逃げれば借金もでき、無事に時効を迎えられるとなれば、多額の負債を踏み倒して海外渡航をした方が良いと考えてしまいますよね。

ですが、借金問題はそう簡単に片付くものではありません。

海外逃亡には、次の2つのリスクがあります。

将来に致命的なダメージを負うケースも多いので、安易に海外逃亡に飛びつくことはやめましょう。

可能性①|本人がいなくても裁判は行われる

海外に逃げても時効は進行しますが、それは債権者が裁判を起こすまでのこと。

公示通達の手続きを使えば債務者が所在不明でも裁判は提起でき、その段階で時効が延長されます。

時間が経過したからと時効の援用を行ったら、実は時効が来ていないというケースは良くあること。その段階で遅延損害金を含めた、莫大な額の借金の返済を迫られます。

可能性②|連隊保証人に支払い義務が生じる

借金を踏み倒して海外に逃げた場合、債権者は連帯保証人に借金の返済を求めることができます。

自分は免れても、借金が完全に消えることはありません。

また債務者不在でも、担保を没収することができます。時効が過ぎて喜んで帰国したら、何も財産が残っていないことに愕然とするケースも多いです。

借金がある中で海外に渡航し日本に戻るとどうなるか

借金がある中で海外に渡航し日本に戻るとどうなるか

借金の時効を迎えるまで海外に逃げるリスクは、それだけではありません。時効の援用をしたという事実は信用情報機関に記録され、ブラックリストに載ってしまいます。

そうなると銀行などからいかなる融資を受けることはできず、ローン組みはおろか、クレジットカードを持つこともできません。

買い物はどんなに高額なものでも現金のみになってしまう上に担保で財産は没収され、以前は身元を保証してくれた家族や知人も失って、全てゼロからの非常につらいスタートになるでしょう。

借金の時効は平均何年?

借金の時効は平均何年?

借金にも時効があり、その期間は最短で1年、逆に最長は10年間です。1年になるか10年になるかは、借金の借り入れ先や裁判提起の有無によってケースバイケースです。借り入れ先別の借金の時効については以下の表をご覧ください。

借金の内容 時効が成立するまでの期間
友人や親類など個人からの借金 10年
金融業者からの借金 5年
飲食店やバーなどでのツケ 1年
商品を買ったときの買掛け金 2年
慰謝料 3年

 

ただしこの期間が過ぎれば、自動で借金が消滅するわけではありません。借金を放置していると、いつまでも遅延損害金を含めた返済義務が残ります。時効を迎えて借金から解放されるためには、相手に対して借金を放棄する意思表示、すなわち「時効の援用」をする必要があります。時効の援用については、以下の記事をご覧ください。

▼借金の時効援用によるメリットとデメリット、リスクって何?他に手段は無いの?▼

借金の時効援用によるメリットとデメリット、リスクって何?他に手段は無いの?

日本で借金があっても海外に渡航すると借金は可能

日本で借金があっても海外に渡航すると借金は可能

個人の信用情報が共有されるのは国内のみ

借金を踏み倒して逃げ回っていると信用情報機関のブラックリストに載り、銀行や消費者金融からお金を借りることはできません。ただしこれは、日本国内に限ったことです。海外にも国ごとに信用情報機関がありますが、日本と情報を共有しているわけではないので、時効を迎えるまで海外に逃げている人でも、海外なら借金ができます。

また、既に書いた通り日本国内の借金取りが海外まで追いかけてくることはまずありません。

だからと言って海外でも借金して良い訳では無い

確かに上では、海外と日本では信用情報が共有されていないと書きました。しかしだからと言って海外で気軽に借金をして良い、ということではありません。

海外には海外の、日本とはまた違う借金に関わる法律があるはずです。それは国によっては日本より厳しいものかもしれません。日本では海外に渡航しても時効は中断しませんが、他の国ではそうではないかも知れません。

「日本の借金とは関係無いしこっちでも借金できる」と思うのは自由ですが、日本のとき以上に慎重な決断が必要なのは言うまでも無いでしょう。

借金で海外に渡航する前に法律事務所に相談しよう

借金で海外に渡航する前に法律事務所に相談しよう

借金が時効を迎えるまで海外に逃げたいほど困っているなら、現実的な解決方法は債務整理です。

借金の時効についても詳しく解説してくれる、トラブル解決で実績の高い法律事務所に相談をしましょう。

東京ロータス法律事務所

債務整理についてのアドバイスが親切丁寧。良心的な料金体系で人気の高い法律事務所です。

東京にある事務所ですが、土日にかかわらず全国から無料相談を受け付けしているため、安心して相談ができますよ。

費用の分割払いにも対応。債務整理のエキスパート弁護士がスピーディーにトラブル解決に動いてくれると評判です。

アヴァンス法律事務所

テレビCM実施中ですが、無料の債務相談に応じているだけでなく、減額報酬も過払い報酬も請求しない、良心的な事務所としても知られています。

債務整理の実績が豊富なだけでなく、時効の援用についても対応。

借金の返済に困っている人から、長期間返済をしておらず不安を抱えている人にもおすすめです。

借金から逃れるために海外に渡航するのはリスクがある

この記事のまとめ
  • 海外に渡航している間も借金の時効は停止されない。
  • とは言え、海外に渡航して借金の時効を待つのはリスクも大きい。
  • 借金で海外に渡航する前に法律事務所に相談した方が良い。

借金から逃げるために時効を待つこと、海外へ逃げることは簡単かもしれませんが、逃げたことで将来抱え込む代償は大きいものです。

債務整理をすれば海外に逃げなくても、合法的に困った借金のトラブルは解決できます。

ぜひ頼れるプロを味方につけて、自分の借金を前向きに対処してくださいね。