結婚をすれば、全ての人がそのまま一生一緒にいるわけではなく、離婚することもあります。そんな離婚も早めにしておけば、いくらでも自力で生活基盤を立て直すことはできますが、熟年離婚であればそう容易ではありません。
今回は、熟年離婚で生活が苦しくなる、後悔しないため準備しておくこと、について詳しく解説していきたいと思います。
熟年離婚をして生活が苦しくなる?妻と夫それぞれのケースを検証!
年々増加傾向にある熟年離婚ですが、長年付き添ったことに対するストレスや、子どもが成人したことによって、一緒にいる理由を失うという原因があるようです。
しかし、熟年離婚は夫・妻それぞれに様々な弊害が出ることになり、離婚後の生活が苦しくなってしまう可能性があります。
以下について、それぞれ解説していきます。
熟年離婚した夫は生活習慣に問題が出る
熟年離婚によって独り身になった男性は、長年妻に家事を任せきりにしている場合が多く離婚後の健康リスクが懸念されます。また、外食メインの食生活になりやすく、既婚男性と比べても健康リスクに大きな影響を与えかねません。
さらに離婚後も住宅ローンやカーローンがある場合、その支払いにも追われるため生活が苦しくなる原因になります。
熟年離婚した妻は生活が苦しくなる
夫と違い妻は専業主婦である場合が多く、離婚後は経済的な不安に駆られることになる可能性が高いです。離婚後は財産分与というものがありますが、夫と50:50で受け取るには妻も夫と同等の収入がある必要があり、財産分与においては妻は圧倒的に不利なことが多いです。
また年金分割においては、分割対象は婚姻期間中に納めた厚生年金のみであり、国民年金は対象でないた、夫が自営業だと分割年金がない場合もあります。そのため、妻は離婚によって、経済面において、大きく生活が苦しくなります。
定年後の熟年離婚後に待ち受ける生活は?その苦しさを解説!
再就職が難しく収入源に難がある
定年後の熟年離婚する場合は、お互いに収入が無い状態であり、年金に頼る生活になります。ですが、年金だけの収入ではとても生活することはできないので、収入を得るために働かなければなりません。
しかし、高齢者を雇ってくれるような企業はおそらくないので、生活することすらままならなくなってしまう可能性が高いです。
家賃が増えて負担増に
生計を共にしている場合であれば、家賃などの固定費は折半していたと思いますが、一人になるともちろん全て負担しなければなりません。そのため、単純に今まで倍以上に負担が増えると考えることができますね。
ただでさえ収入が不安定であるにも関わらず、それに加えて支出が増えてしまっては、緊急事態というべき状況です。
分割により年金が少なくなる
年金は、国民年金や厚生年金それぞれの加入期間や納付額において算出されるものです。また仮に夫婦が離婚した際は、年金記録を分割できる年金分割という制度があります。
夫がサラリーマンであれば、妻はその会社の厚生年金に加入することになりますが、その婚姻期間中における分しか妻は受け取ることができません。国民年金は対象ではないので、夫が自営業などであれば、もとより分割年金がないことになります。
熟年離婚するくらいなら我慢する方が生活が苦しくならずに済む?
熟年離婚には、離婚後の様々なリスクがあるので、正直なところ離婚するぐらいなら我慢した方が良いケースもあります。それでも、どうしても一緒に生活したくないと思う人もいるので、どちらともいえないということですね。
以下について、それぞれ解説していきます。
収入を得られれば生活は苦しくない
熟年離婚のネックは、やはり離婚後の生活そして収入になります。要するにこの収入の問題が解決できるのであれば生活が苦しいと思うこともないので、離婚を思い留まる理由もないということです。
なので、計画的に熟年離婚を考えてるのであれば、収入を得られる術を事前に用意しておく必要があります。
配偶者と生活し続ける方が苦しいかも
離婚後のリスクを鑑みても、配偶者と生活を続けるほうが苦しいと思えば、離婚するしかありません。そこまで嫌悪感が強いのであればその人の精神が崩壊してしまう可能性もありますので、止むを得ません。
逆にその後の生活が苦しくなっても、結婚していた時を思い出せば、自然と辛いと思わないかもしれませんね。
どうしても熟年離婚をしたい場合は弁護士に相談する
どうしても、離婚したいと思うのであれば、簡単な話、離婚すれば良いのです。しかし年齢も年齢ですし、様々な不安が付いて回ることでしょうから、一度専門家に相談することをおすすめします。
以下について、それぞれ解説していきます。
財産分与や年金の計算をシミュレーションしてくれる
離婚後は、やはり収入面で不安になると思いますが、専門家に財産分与や年金のシュミレーションをしてもらうことができます。この計算において、実際に熟年離婚に踏み切った場合の生活シュミレーションも行えます。
離婚を考える際に一番重要となるべきことですから、より確実な計算を求めるのは必然です。
本当に離婚したいのか考えるきっかけになる
専門家に相談することで、熟年離婚のメリット・デメリットを丁寧に教えてくれます。その際に、本当に離婚するべきなのか、どうかを判断するきっかけになるはずです。
人は頭の中で思っていても、何かきっかけがないと、中々動けないものですから、専門家がそのきっかけとなる場合があるということですね。
熟年離婚で生活が苦しくならないように準備しておくこと
熟年離婚を計画するのであれば、いろいろな準備が必要になります。その準備をしておくことで、離婚後の自分を楽にする、決して生活が苦しくならないようにするといったことが大事になります。
以下について、それぞれ解説していきます。
離婚後の住まいを準備する
生きていくためには、住居が必要になりますので、離婚後生活していく住まいを確保します。近年、高齢者専用住宅などもあるので、できればそういったお得な住居を準備したいところです。
また収入が少ないのであれば、市営住宅などの選択も一つの手としてありますね。
資格取得など就職に向けての準備をする
離婚後、収入を求めて就職するにも、年齢がネックになり、とても仕事の選択幅は広いとはいえません。その際、できるだけ資格取得などしておき、その選択肢を広げておきたいものです。
手に職があると、就職においては非常に強く、また経験者であればさらに優遇されます。
離婚後の生活資金を計算する
実際に離婚するにしても、生活資金がいくらあるのか不透明なままであると、離婚後の生活に不安を覚えてしまいます。離婚する前に、生活資金の計算はしっかり行っておくことが必要です。
また、この計算において、十分と判断できれば、離婚に踏み切るきっかけにも繋がります。
友人や知人など頼れる関係性をつくっておく
仮に離婚後の生活が苦しくなってもいいように、友人や知人などの関係性をきちんと作っておく必要があります。こうしておけば、いざ自分が苦しくなったときにも、頼ることができ、決して露頭に迷うことはないはずです。
配偶者や恋人は一時であっても、友人や知人は一生の仲になり得るので、この関係性は大切にしたいですね。
熟年離婚後の生活を楽しくするために!再婚はありなのか?
熟年離婚後の生活において、今後は一人で生きていきたいと考える人もいますが、やはり誰か一緒にいてくれることは心強いものです。それは、その後の生活を楽しくするためには、必要になることもあります。
以下について、それぞれ解説していきます。
お友達からお付き合いをしてみる
堅苦しく、結婚を前提にというわけではなく、まずはお友達からというフランクな関係から初めてみることです。お互いそういった関係であれば、そのまま親しい友人として、関係性を築いていけるかもしれませんし、再婚を考える関係性になるかもしれません。
始まりはどんな形でもいいので、せっかく独り身になったのですから、まずはいろんな人との交流を大切にしていきたいですね。
早ければ早いほど出会いが多い
もちろん、出会いは早ければ早いに越したことはありません。早いうちであればあるほど、選択肢の幅も広がりますし、より多くの人と出会える確率が高いです。
中途半端に高齢になってから、離婚するよりは、早めの離婚を行うほうが、その後の人生は、無限大の可能性があるというものです。
残りの人生を寂しく過ごさなくて済む
人は一人で生まれて、一人で死ぬなんてことを言っていては、孤独の人生に終わってしまいます。できれば、誰かと楽しく過ごして、寂しくない一生を全うしたいものです。
そうするためには、早めの離婚が非常に重要で、ある程度見切りをつけられる能力も必要ですね。
熟年離婚で生活が苦しくなる人は多い
このように、熟年離婚における様々なリスクについて、触れてきましたが、一番のネックは生活するための資金ということがわかりました。逆に言えば、この生活に必要な資金に不足ないという人は、簡単に離婚に踏み切ることができるというわけです。
確かに長い間一緒にいれば、居心地が悪いと感じることもあるでしょうが、それを我慢することも時には必要であります。しかし我慢ばかりが人生ではないので、全てから解放されたいと思うのも当たり前ですよね。