住宅ローンの返済に資金援助してもらうと贈与税が掛かるって本当?

住宅ローンの返済に資金援助してもらうと贈与税が掛かるって本当?

住宅ローンを組む際、親や祖父母から資金援助してもらうことがありますよね。資金援助の金額によっては贈与税が掛かります。本記事では贈与税の説明や非課税金額の増やし方、また贈与税におけるペナルティをまとめました。

Table of Contents

住宅ローンの返済に資金援助してもらうと贈与税が掛かる

 

税

債務肩代わりや、親や祖父母から住宅ローン返済に資金援助してもらうと、贈与税が発生します。以下に贈与税についての説明や、債務肩代わり、生前贈与についてまとめました。

贈与税とは

贈与税は「個人から財産をもらったときに掛かる税金」で、親や兄弟から財産をもらった際にも発生します。ただし、1年間にもらった財産の合計額が110万円(基礎控除額)以内であれば掛かりません。加えて、住宅の購入を援助してもらう場合は「住宅取得等資金贈与の非課税」という制度を利用でき、消費税10%であれば「最大3000万円」まで非課税になります。

債務肩代わりは贈与として見なされる

債務を肩代わりし、返済を求めない場合は、贈与として見なされ、贈与税が発生します。反対に肩代わりしたお金を返済するのであれば、贈与税は発生しません。

住夫婦の連帯債務で住宅ローンを借り入れした場合、注意が必要です。妻が妊娠し、会社を退職した場合、妻の収入源がなくなるので、夫が妻の分も返済することになります。妻の借入金を年間110万円以上返済すると贈与税が発生します。

生前贈与には贈与税が発生する

生前贈与とは、生存している個人から別の個人へ、返済を求めずに財産を渡すことを指します。相続税の課税対象となる財産を減らすことができますが、贈与税が発生します。生前贈与の贈与税は、主に「暦年課税」、「相続時精算課税」の2種類に分類されます。暦年課税は、年間110万円以上の贈与を受け取った場合に発生。相続時精算課税は、60歳以上の親や祖父母から、20歳以上の子供や孫に相続する際に選択することができ、受け取った額が2500万円まで課税されません。

住宅ローンの返済で贈与税が発生する代表的なケース

フローチャート

住宅ローン返済において、贈与税が発生するケースとして代表的なもの2つを以下にまとめました。条件として、両方とも登記は自分名義で、「頭金の一部を負担してもらう」か「返済の肩代わりをしてもらう」となっております。

頭金の一部を負担してもらうが登記は自分名義

親などから頭金の一部を負担してもらい、借入金額を少なくし、総返済額を引き下げることは非常にメリットがあるといえます。しかし、これは「贈与」と見なされ、贈与税が発生する可能性があります。贈与額が大きいほど、税額も多くなるので注意しましょう。

住宅ローンの返済を肩代わりしてもらうが登記は自分名義

住宅ローンの返済を肩代わりしてもらい、返済をしない場合、「贈与」と見なされ、贈与税が発生します。ただし、本当に返済不能とみなされた場合、贈与税が掛からない場合があります。本当に財産がなく、全財産をなげうっても借金返済ができないという極限状態に認められます。

夫婦間で住宅ローンの贈与税が掛からないようにするためには

税金がかからないようにする

夫婦で住宅ローンを借り入れるケースや借り換え、名義変更するケースにおいて、贈与税の発生を回避する方法を以下にまとめました。ご自身にどのケースが当てはまるか確認し、贈与税の発生を防ぎましょう。

どちらかが頭金の一部を負担するケース

住宅には所有権がり、片方が負担した頭金相当分を、夫または妻の持ち分となるように不動産登記すると贈与税が掛かりません。これは、共働きしている夫婦がそれぞれの名義で組む「ペア住宅ローン」も同様で、住宅ローンの負担に応じて不動産の持ち分を設定することで贈与税の発生を防ぐことができます。

住宅ローンが連帯債務のケース

住宅ローンが連帯債務の場合、売買形式をとり、持ち家をどちらかの持ち分へ移転する必要があります。しかし、この場合毎年不動産登記が必要になり、登録免許税、不動産取得税などが発生します。連帯債務でローンを組む際には、最初に所得金額や返済額に応じた持ち分をそれぞれ登記するべきでしょう。

ペア住宅ローンをどちらかの単独名義のローンに借り換えるケース

ペア住宅ローンからどちらかの単独名義のローンに借り換える場合、贈与税の発生を回避するには、「負担付贈与」をとります。負担付贈与とは、ローンの借り換えと同時に、片方の住宅ローン残債相当の不動産持ち分をもう一方へ移転登記することによる贈与税の回避方法です。つまり片方の不動産持ち分を住宅ローン残債という負担付でもう一方へ贈与したことと見なされます。

離婚で住宅ローンの名義を変更する場合は?

離婚による財産分与で、住宅ローンの名義を変更する場合は贈与税は掛かりません。この場合、片方が住宅ローンを払い続けるが、不動産の所有権はもう一方に無償で渡すという「財産分与」と見なされます。ただし、分与された財産の額が多すぎるとされる場合や、贈与税の発生を避ける目的での離婚とされた場合は贈与税が掛かる場合もあるので注意してください。

住宅ローンへの資金援助は住宅取得等資金の非課税特例の対象外

住宅取得等資金の非課税特例というものがあり、条件に当てはまると非課税枠がより大きくなります。以下に住宅取得等資金の非課税特例についてまとめました。

住宅取得等資金の非課税特例とは

親や祖父母といった直系親族からの資金援助を受ける場合、1人当たり最大1200万円の非課税枠があります。この制度をを、「住宅取得資金の非課税特例」と呼び、毎年の贈与税の非課税枠110万円とは別にまとまった金額を支援してもらえます。

贈与された年の翌年3月15日までに居住開始が適用の条件

住宅取得等資金の非課税特例を受ける条件の1つとして、「必ず翌3月15日までに自分の住居として住む、もしくは住む見込みであること」がある。よって住宅ローン返済中、すでに住んでいる状態であると、住宅取得資金の非課税特例を受ける条件の1つはクリアです。

暦年贈与や相続時精算課税は利用可能

住宅取得等資金は、暦年贈与または相続時精算課税と組み合わせて利用可能です。暦年贈与の場合は、住宅取得等資金の非課税特例の1200万円に加え110万円、つまり1310万円までが非課税となる。相続時精算課税の場合は、住宅取得等資金の非課税特例の1200万円に加え2500万円、つまり3700万円までが非課税となる。

名義人に住宅ローンの返済能力が無い場合贈与税は発生しない

住宅ローンの資金援助を受けた場合、贈与として見なされ、贈与税が発生するが、本当に返済不能とみなされた場合、贈与税が掛からない場合があります。先ほども記載しましたが、本当に財産がなく、借金返済ができないという極限状態のみ認められます。

住宅購入資金への援助(贈与)を効果的にするためには

効果的にする

住宅購入資金への援助(贈与)は、条件次第でより効果的にすることができます。以下に条件についてや方法をまとめました。

贈与税の非課税枠を利用する

贈与税の非課税枠を利用すれば、非課税額を大幅に増やすことができます。非課税枠には様々なパターンがあり、住宅取得等資金の非課税特例や暦年贈与、相続時精算課税などがあります。それぞれ条件や適用金額が異なりますので注意しましょう。

贈与税の非課税になる条件

贈与税の非課税になる条件をいかにまとめました。

  1. 生活費の贈与であればそもそも課税されない
  2. 住宅取得等資金の贈与で1200万円まで非課税
  3. 暦年贈与であれば年間110万円まで非課税
  4. 相続時精算課税であれば一時的に2500万円まで非課税
  5. 贈与税の配偶者控除で2000万円まで非課税
  6. 教育資金の一括贈与で1500万円まで非課税
  7. 結婚・子育て資金の一括贈与で1000万円まで非課税
  8. 障碍者への贈与で6000万円まで非課税

贈与税非課税枠の限度額

住宅取得等資金の贈与で一定額まで非課税になります。消費税8%の物件の場合は「最大1200万円」、消費税10%の物件の場合は「最大3000万円」まで非課税となります。最大にする条件として、住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日が平成31年4月1日~令和2年3月31日かつ省エネ等住宅となります。

おしどり贈与

おしどり贈与(配偶者控除)は、夫婦間で居住用不動産を贈与した際、最大2000万円までの配偶者控除を受けられるという制度です。条件としては、夫婦として婚姻期間が20年以上過ぎていることです。また、同じ配偶者からの贈与については、一生に一度しか控除を適用できません。

住宅ローン返済への資金援助による贈与税を払わないと?

借金

住宅ローン返済への資金援助による贈与税を払わないと様々なペナルティが発生します。以下にペナルティの一部である「延滞税」、「加算税」についてまとめました。

延滞税が発生する

贈与税の納付が遅れると延滞税が発生し、税率は納税までの期間に応じて異なります。

  • 申告書の提出日の翌日から2か月以内:年2.8%
  • 申告書の提出日の翌日から2か月以降:年9.1%

2か月以内と移行では4倍近く税率が変わります。期限を忘れず、しっかりを納付しましょう。

加算税が発生する

贈与税の申告をしなかったり、申告内容を詐称したりするとペナルティとして加算税が発生します。これは本来収めるべき贈与税に加えて、5~40%の罰金が掛けられます。

贈与税の時効が1年延びる場合もある

贈与税には時効がり、申告から一定期間経過すると納税の必要がなくなります。しかし、意図的に申告せず、贈与税の支払いをしなかったりすると時効は1年延びる可能性があります。贈与税の支払いを期限、金額をしっかり守って納付しましょう。

住宅ローン返済への資金援助は贈与税に気を付けよう

住宅ローン返済への資金援助を受ける際、贈与税に気を配る必要があります。贈与税は条件を満たすと、非課税金額を大幅に増やすことができます。「住宅取得等資金」、「暦年贈与」、「相続時精算課税」などを組み合わせて、非課税金額を増やしましょう。また贈与税を支払わないとペナルティが発生するので注意が必要です。