奢られたときの代金に返済義務はあるのか?【奢りの返済を求められた時】

奢ったり奢られたり、日常的によくある光景ですよね。誰でも、どちらかの立場になったことがあるのではないでしょうか。そんな日常的なことにも、トラブルが起こることがあります。奢られた代金の返済を求められるケースです。

果たして、奢られた代金には返済義務はあるのでしょうか。今回の記事では、奢りの代金について詳しく紹介していきます。

奢られた代金に返済義務は無い

奢られた代金は借金に当たるのか?

そもそも、奢られた代金は借金に当たるのでしょうか。もちろん、奢られた状況によって違いはあります。でも、自分がお金を払う意志を見せていてもなお奢られた場合は、借金とは違いますよね。

借金というのは、自分が相手から何かしらの事情でお金を借りるという認識を持って受けたお金のことを指します。相手が自分が払うべきお金を払っているのですから、恩恵を受けたことに変わりはありませんが借金とは少し意味が違うのは明確です。

今まで奢った分を返してくれ!と言われたら

何度も飲食代を奢ってもらっていて、いきなり今まで奢った分を返してほしいと言われることもあります。奢ってもらっていたことに少しでも引け目を感じている人なら、要求されたからには返済しなければいけないと思うかもしれません。

ただ、自分がお金を払うと言っても断られたのに、後から返済を要求されたからと言って返済義務はあるのでしょうか。前述したように、奢りの代金は借金ではありません。借金であれば返済義務は生じますが、奢りは借金ではないため返済の義務は無いと言えます。

奢りの代金に返済義務が無い理由は贈与に当たるから

奢られた代金には返済義務がないということですが、そう言い切れるのには理由があります。なぜ、奢りの代金には返済義務がないのか詳しく見てみましょう。

奢りのお金は贈与と見なされる

奢りの代金に返済義務が無い理由は、奢りという行為は法律上、贈与に当たるからです。本来なら自分で支払うべき飲食代を奢ってもらうのですから、その相当額を与えられたということになります。つまり、奢りというのは飲食代相当のお金を贈与したことになるのです。

贈与は履行が済んだ時点で撤回できない

奢りの代金に返済義務が生じないのには、もう一つ理由があります。それは、贈与には「すでに履行が終わったものについては撤回することができない」という民法上の決まりがあるからです。

食事代を奢るというのは、奢りという行為が生じた時点ですでに贈与の履行が終わったことになります。そのため、後から食事代の返済を求めりすることは基本的にはできません。

例外的に奢りの代金に返済義務が起きる場合は?

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前述したように、奢りの代金は原則的に撤回することはできません。ただし、例外的に奢りの代金に返済義務が生じることもあります。

借用の意思があり奢ってもらった場合

奢りの代金に返済義務が起きるのは、奢ってもらったときの状況によります。奢ってもらった人が、返済することを前提として奢ってもらっているような場合です。

贈与というのは、あくまでも金銭などを無償で与えることを意味しているので、借りるのとは異なります。例えば、財布を忘れてしまったから仕方なく奢ってもらったという場合は、贈与ではなく借用になるので返済義務が生じるのです。

奢りのお金で問題が起きるのはどんなケース?

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奢ってもらったお金を返済しなくていいと思っていても、後に返済を強要される可能性はゼロではありません。奢りのお金で、問題が起きるケースを見ておきましょう。

女性に恋愛感情を持った男性から

男女関係において、奢りのお金の問題が生じることは実はよくあることです。人と人との関係は良好なときはいいですが、関係が悪化すると特にお金の問題には敏感になります。

例えば、恋人同士ではなく一方的に恋愛感情を持った男性が、相手の女性に対して今まで奢った分の返済を求めたりすることが挙げられます。それ以外にも、彼氏がいるにもかかわらずサシご飯に来たときなどにも返済してほしいと言われる可能性があるでしょう。

組織を抜けるときサークルや会社の先輩から

奢りのお金で問題が起きるケースには、組織を抜けるときにも起こる可能性があります。サークルや大学など、組織的なものに所属していると必ず先輩・上司、後輩・部下の関係が出来上がりますよね。そういうときには、だいたい目上の人が奢ってくれるという状況が起こり得ます。

所属しているときは親切にしてもらっていても、いざ組織を抜けるとなると、部下や後輩として可愛がっていたのにと恨み言を言われることもゼロではありません。組織を抜けるなら、奢ったお金を返してくれと言われるケースも実際に起こっています。

友人・知人・兄弟から

奢りのお金の問題が起こらなさそうで起こるのが、友人・知人・兄弟の間です。親しい間柄だからこそ、一旦揉め事になると大事になる可能性が高いのです。

友人・知人などでは、今度奢るなどと言って一向に奢らないなど、借用のような形で奢りを受けているときには問題になるケースがあります。

また、兄弟の間でも兄や姉が奢ることがあるかと思いますが、状況が変わると返済を求められることもあります。特に、兄弟が結婚した後では義理の兄弟が関わってくるので、奢ったお金を返済して欲しいと言われるケースはよくあるのです。

奢りの代金を口頭やメールで返すと言ってしまった場合は?

突然、奢ってもらったお金を返すよう要求されると、応じてしまうこともあるでしょう。もし、奢りの代金をメールや口頭で返すと言ってしまった場合はどうなるのでしょうか。

脅されて言ってしまった場合は返済しなくて良い

相手から奢りの代金の返済を求められると、返すと言ってしまう人は少なくありません。それが、男性から女性に向けてなどの場合は恐怖さえ感じますよね。ただ、返済を強制するような脅しで言われた場合には、返済する義務はありません。

前述したように、奢りの代金は贈与に当たるので履行が済んだ時点で撤回はできないので、いくら相手が求めても返済する必要がないのです。脅されて言ってしまったことは強要されたことになるので、それで返済の義務が生じるわけではありません。

借用と認め返済の意思を示した場合

奢りの代金を返すと言ってしまっただけでは、上記のように返済義務が生じるわけではありません。ただし、返済すると言った状況によるので注意が必要です。

具体的には、奢りのお金の返済を求められたときに、自分にも非があり借用書などを作成して、あくまでも借りていたお金だと認めた場合は話が変わります。原則的に返済の義務がない奢りの代金も、借金だと認めてしまった時点で返済義務が発生してしまうのです。

奢りの代金は贈与に当たるため返済義務は無い

奢られときの代金に返済義務があるのかについて、解説しました。結論的には、奢りの代金は贈与に当たるため返済義務はありません。また、奢ってもらった時点で贈与の履行が終了しているため、後日返済を求められたとしても返済する必要もないということです。

ただ、奢ってもらったときに借りたお金だと認めている場合には、返済する義務があります。たかが奢り奢られという問題ですが、お金が関わっていることには違いがないので、奢ることも奢られることもほどほどにしたほうが良さそうですね。