債務整理で銀行口座が凍結される?【事前対処法を紹介】

銀行口座の凍結は自分には関係ないと思っていても、銀行口座の凍結は誰にでも起こる可能性があるものです。とは言え、実際に凍結されてしまったら誰でも焦ってしまいますよね。でも、そこは落ち着いて行動することが大切です。まずは、口座が凍結された理由を考えなければいけません。

今回の記事では、銀行口座が凍結される理由とその対処法について紹介していきます。

この記事を読むとわかること
  1. 口座凍結されるのは、その銀行からの借金があり、個人再生や自己破産を行なったとき!
  2. 凍結中は引き出しや振込ができない他、同銀行他支店の口座も利用不可になる!
  3. 事前に生活費を引き出しておくことや、銀行からの借金を債務整理対象外にすることで回避可能!

Table of Contents

銀行口座が凍結された理由は?

銀行口座の凍結は、通帳が記帳できないなどの理由で気づくこともあるかと思います。

では、そもそもなぜ通帳が使えなくなるのでしょうか。銀行口座が凍結される理由について説明します。

債務整理を行ったため凍結された

債務整理を行うことで銀行口座が凍結される可能性があります。

銀行からの借入の返済に困って債務整理を行うと、銀行が口座に残った預金を使って借金の補填を行うために銀行口座の凍結を行います。

口座を凍結して現金を引き出せないようにしてしまうのです。

債務整理には大きく分けて、任意整理・個人再生・自己破産の3つの種類があります。このうちの任意整理は該当する銀行からの借入金を整理の対象外とすることで銀行口座の凍結は免れます

三井住友カードローンの規約には下記のように記載があります。

第16条(当行による相殺)

(1)当行は、本債務のうち約定返済期日が到来したもの、または第12条の定めに従って返済しなければならない本債務全額、借主 の当行に対する預金等の債権とを、その債権の期限の如何にかかわらず、いつでも相殺することができるものとします。

三井住友カードローン規約(太字赤字は筆者注)

下記の表は銀行カードローン商品名、また規約に預金との相殺について明記があるかを調査した結果です。

規約に明記がなくても銀行口座凍結により債権と預金の相殺が行われることがあります。

銀行名 商品名 規約に債権と預金との相殺について
三井住友銀行 三井住友カードローン 明記あり
三菱UFJ銀行(旧:三菱東京UFJ銀行) バンクイック 明記あり/書面により通知
みずほ銀行 みずほ銀行カードローン 明記あり
りそな銀行 りそなプレミアムカードローン Web上に規約公開なし
オリックス銀行 オリックス銀行カードローン 明記あり/通知なく実施
新生銀行 新生銀行カードローン 明記あり/通知なく実施

バンクイックのみ、相殺実施時に書面により通知と規約にありました。

基本的に銀行カードローンを使用する際には、返済が滞ると口座凍結により借入金との相殺が行われる可能性があることを理解しておきましょう。

銀行に口座名義人の死亡が伝わり凍結された

通帳の元々の持ち主、つまり銀行口座の名義人である人が亡くなったことでも、銀行口座が凍結されます。これは口座名義人の財産を守るためで、相続の手続きが終わるまでは他の人が現金を引き出すことを避けるためです。

銀行口座の名義人の死亡直後に凍結されるわけではありませんが、銀行に死亡が伝わった時点ですぐに凍結されることになります。

口座が凍結されるタイミングはいつ?

市役所に死亡届を出したときでしょうか?気になる疑問に答えてくれるサイトがありました。

役所が死亡した事実を銀行に伝えることは無い

(中略)

銀行が何かしらのルートで預金者が死亡したことを知ったとたんに口座は凍結

(中略)

窓口担当者は、死亡した事実を知ったらすぐに、顧客の口座に「死亡コード」を設定する。これでもう、ちゃんと相続の手続きをし終えてしまわない限り、お金を出すことも、入れることも(入れる人はいないと思うが)できなくなる。

心に残る家族葬(太字赤字筆者注)

死亡届を出してもすぐに銀行が死亡を知り得るわけではないとのことです。

このため、死亡して直ちに口座凍結が行われるわけではないようです。

不正利用が確認されたため口座が凍結された

銀行口座が凍結された3つ目の理由は、犯罪などによるトラブルに巻き込まれた場合です。警察などから銀行に連絡があり犯罪利用の可能性がある銀行口座に関しては、捜査のためや犯罪を防止するために凍結されることがあります。

また、身分証明書などの盗難によって不正な銀行口座が作られた場合にも、同じ名義人だという理由で銀行口座が凍結されることもあります。このような不正利用が確認されれば、口座は凍結されるのです。

銀行口座の凍結で何が困る?

銀行口座が凍結されることによる大きなデメリットとして、お金が引きだせないというのが挙げられます。ただ、銀行口座の凍結によるデメリットはそれだけに留まりません。もし銀行口座が凍結されると、具体的にはどのようなデメリットがあるのか見てみましょう。

その口座は凍結の間使えなくなる

銀行口座が凍結されるということは、その銀行口座を使用した一切の取引ができなくなるということです。前述したとおり、通帳・カードを利用したお金の引き出しができないことは当然のことですが、入金に関しても不可になります。

そのため、給料をその銀行口座で振込してもらっている場合は入金してもらうことができません。また、公共料金や携帯電話の引き落としなどにその銀行口座を使用している場合も支払いができなくなってしまいます。

同じ銀行で口座が複数あると全て凍結される

銀行にはたくさんの支店があり、給料振込の口座と別通帳に分けて管理していることもありますよね。同じ銀行で2つの口座があるからと言って、安心してはいけません。

同じ銀行で口座が複数あると、名義人は同じなので全て凍結されることになるのです。

今後新規に口座を持てなくなる

銀行口座が凍結されてしまった理由によっては、今後新たに銀行口座が作れない可能性があります。例えば、犯罪などで銀行口座が不正利用された場合がそれに当たります。

銀行口座が持てないとなると、銀行を通した一切の取引ができないということなので、不便な生活が余儀なくされるのは容易に想像がつくでしょう。

銀行口座が凍結されたときの解決法はある?

銀行口座が凍結されたら、最悪の場合は銀行口座を持つことができなくなります。銀行口座がなければ、給与を振り込みでもらうことはできませんし、入金もできません。そうなれば生活に支障があるため、放置することはできませんよね。では、銀行口座が凍結されたらどうすればいいのでしょうか。

債務整理の場合

債務整理を理由に銀行口座が凍結された場合、基本的に解除する手段はありません。後述する事前策をしっかり行なっておきましょう。

名義人死亡の場合

相続人が名義変更手続きをする

名義人が死亡してしまったために銀行口座が凍結されたのであれば、所定の手続きが終われば口座の凍結を解くことができます。名義人の財産を受け取る相続人が銀行で手続きをすることで、解除が可能です。

相続人が名義変更手続きをするためには、銀行によって必要な書類に多少違いはありますが、主に銀行所定の相続届や法定相続人全ての印鑑証明、銀行通帳などが必要になります。

犯罪に使用された可能性がある場合

権利行使を届け出る

犯罪などで銀行口座が不正利用された場合は、凍結を解くのは一筋縄ではいきません。あくまでも犯罪に使われたことが前提となっているので、被害者を守るためにはそう簡単に解除することができないからです。

基本的には、銀行口座が凍結されてから60日以内に金融機関に対して権利行使を届け出ることで凍結が解ける可能性があります。権利行使を届け出ないと、銀行口座の名義人であっても権利を失ってしまいます。権利を失えば、否応なしに預金は犯罪被害者のために使用されてしまうのです。

銀行を相手に民事訴訟を行う

犯罪に巻き込まれたり、相続の手続きがうまく進まないなどの理由で、凍結の解除が困難な場合は最終的には民事訴訟を行うことになります。

銀行口座が不正利用されたなどのケースでは、捜査機関や金融機関との交渉や協議が必要ですが、うまくいかないことも少なくありません。そんなときは、銀行を相手に訴訟を起こして法的手段を取ることで解決する必要があります。

弁護士に相談する

上記で説明した権利行使や民事訴訟で、銀行口座の凍結解除ができる可能性があります。しかしながら、このような方法は法律も絡んでくるため、詳しくない人にとっては非常に困難を極めます。

銀行口座が凍結された場合は、弁護士に相談することでスムーズに事が運ぶ可能性が高いです。特に、犯罪に口座が不正利用したケースでは訴訟になる可能性も高いので、すぐに弁護士に相談するのが賢明でしょう。

銀行口座の凍結はいつまで続く?

凍結された銀行口座は、その後どうなるのでしょうか。突然凍結されてしまった人にとっては、凍結がどのくらい続いて使えなくなるのか一番心配なところですよね。詳しく見てみましょう。

口座凍結が続く期間

銀行口座が凍結されるとどのくらいの期間続くのかということですが、これは一概には言えません。なぜなら、口座が凍結される理由によって違いがあるからです。

債務整理で口座が凍結され場合

代位弁済などの手続きが完了するまで、概ね1~3ヶ月の間口座が凍結されることになります。

なお、犯罪などの不正利用の場合は凍結が解けずに強制解約になる可能性も否定できません。

銀行口座の名義人が死亡の場合

所定の手続きが終われば凍結が解けます。早ければ1か月以内に凍結解ける可能性もありますね。

凍結解除までの期間は銀行により違う

口座凍結が続く期間は、だいたい上記で示したとおりです。とは言え、必ずしもその期間で凍結が解除になるかと言えば、そうでもありません。

銀行によって規定も違いますし、名義人死亡による口座凍結を解除するために必要な書類も違います。そのため、凍結解除の期間は目安にはなりますが、実際にかかる期間は銀行によって違うことは知っておきましょう。

債務整理による口座凍結への対処法はある?

債務整理で銀行口座が凍結される場合、他の理由とは違って事前に対策を立てておくことができます。銀行口座の凍結を免れる方法はありませんが、対策によってある程度生活にかかる不便さは軽減できるでしょう。

債務整理の前に口座からお金を全部引き出す

債務整理をして借金が減ったとしても、その後の生活にはお金も必要です。預金している銀行口座が債務整理の対象になっているなら、予め口座からお金を全て引き出しておきましょう

銀行口座が凍結されると、債務整理の内容によっては預金を差し押さえられるため、引き出すことはできなくなってしまいます。

引き出したお金を返済に充てても良いの?

引き出したお金を返済にあてるのは注意が必要です。特定の債権者に優先して返済を行うと、偏頗弁済(へんぱべんさい)と見なされ、免責不許可事項に該当してしまう可能性があります。

免責不許可事項に該当してしまうと、借金の返済義務が不要とならなくなってしまいます。

債務整理を検討している場合は注意しましょう。

給与の振込先を変更する

給与の振込予定があるなら、予め勤務先に話して振込先を変更してもらうようにしましょう。銀行口座が凍結されると、出金はもちろん入金もすることができなくなってしまいます。

例え入金してもらうことができたとしても、凍結されてしまってはお金が引き出せません。

引き落としがあるなら支払方法を変更する

公共料金の引き落としやカードの支払いに銀行口座を利用している場合、支払い口座や方法を変更しておく必要があります。銀行口座が凍結されてしまったら、支払いにも利用することができないからです。

支払方法を変更しないままだと、引き落としされずに滞納となる可能性もあります。

家族が亡くなったことによる銀行口座凍結の対処法は?

あっては欲しくないことですが、家族が突然亡くなってしまう可能性もあります。そんなとき、一番困るのは銀行口座が凍結されてお金が引き出せなくなってしまうことです。だからこそ、家族の生前に口座凍結を防ぐためにも準備しておかなければなりません。

家族の口座を把握しておく

自分の銀行口座は把握していても、家族の銀行口座まで把握している人は少ないのではないでしょうか。メインに使用している銀行であれば知っているかもしれませんが、保有しているすべての銀行口座となると知らない可能性もありますよね。

また複数口座を使い分けている場合、どの口座を何に使っていたのかを知るために、過去の入出金を見て調査するのは困難です。

ネット銀行の場合は、もともと通帳がないということもあるため、亡くなったあとで確認をするのは困難です。相続問題が片付いてから隠れた遺産が出てきたというようなことにならないためにも、被相続人の使う口座はすべて把握しておく必要があります。

最近ではエンディングノート等で終活道具もありますので、もしもに備えを勧めても良いかもしれません。

被相続人の通帳や印鑑の保管場所は聞いておく

被相続人が所有する銀行口座を知っていたとしていても、通帳や印鑑がなければ結局銀行口座が分からないのと同じことです。お金を引き出すためには通帳やキャッシュカードが必要ですし、その銀行に登録している印鑑の提示を求められることもあります。

通帳やカード、印鑑が全てバラバラになっている場合、遺族が凍結解除の申請を出すまで時間がかかってしまいます。

誰にとっても通帳や印鑑などは大切なものなので、自分だけが分かる場所に保管しますよね。そのため、生前にしっかりと保管場所についても聞いておくことが大切です。

故人の口座が凍結されても一定額は引き出せるようになった

口座凍結を避けるために家族の生前に備えておくことが大切ですが、なかなかそれができないのが現状ですよね。ただ、令和元年に改正民法が施行され、故人の銀行口座が凍結されても一定額は引き出せるようになりました。

引き出せる金額の計算式

銀行口座が凍結されてしまっても一定額は引き出しが可能になりましたが、その額はどのように計算されるのでしょうか。具体的には、以下のような計算式によって算出されます。

  • 故人の預金額×1/3×相続人の法定相続分

例えば、相続人が子供であり預金額が500万円の場合は、500万×1/3×1/2=90万円ということになります。

お金を引き出す際に必要な手続きや書類

個人の銀行口座が凍結されても引き出しができるとはいえ、人の口座からお金を引き出すのですから、それなりに必要な手続きや書類があります。まず、お金の引き出しをしようとするときは、電話や窓口でその旨を銀行に伝えなけれないけません。

銀行により必要な書類は多少異なりますが、基本的には法定相続人すべての戸籍謄本・故人のすべての戸籍謄本・法定相続人すべての印鑑証明・通帳・キャッシュカード・印鑑などが必要です。

弁護士に依頼することも考えよう

故人の銀行口座からお金を引き出すためには、通帳などを持っていて書類さえ用意できれば自分で行うことも可能です。ただ、家族が亡くなったばかりのときは忙しいこともありますし、準備する書類もたくさんあるため余裕がないかもしれません。

そんなときは、弁護士に依頼することも考えましょう。法律の専門家に任せておけば、手続きもスムーズに進みます。

銀行口座が凍結された場合は凍結原因を特定して対処しよう

銀行口座が凍結されたときはどうすればいいのか、その方法と凍結を解除する方法について解説しました。突然口座が凍結されると、パニックになってしまうでしょう。でも、犯罪などの不正利用を除いては、銀行口座の凍結を解消する方法がないわけではありません。

口座が凍結される前に対策を講じることは大切ですが、例え凍結されたとしても焦らずに対処することで解決することができますよ。