借金返済中でも障害年金は受け取ることができる?

障害を持ってしまった人が受けられる、障害年金というものがあります。この障害年金は、借金返済中でも受給できるもので、その用途に制限も一切ありません。障害年金は、その障害の程度によって、1級から3級まで区分されており、支給額が変動します。

今回はそんな障害年金について、詳しく解説していきたいと思います。

借金返済中でも障害年金は受け取ることができる

障害年金とは

障害年金とは、病気や怪我などによって労働の自由が奪われたときに一定額を受け取れる公的制度です。この公的制度は認知度が低く、受給資格にある人の約6割しか受給していないのが現状です。

そんな受給資格は、大前提として保険料の未納期間がないということですが、特例もあるのでその限りではありません。また障害年金はその障害の程度によって等級で区分されており、他人の介助なしでは生活できない1級から生活するには制限が伴う3級まであります。障害年金の受給者の主な障害で最も多いのが精神障害となっており、ストレス社会の日本を象徴する結果となっています。

生活保護とは違い借金に関する制約は無い

生活保護は、憲法の定めるところの健康で最低限度の生活ができない人のための制度です。受給資格は世帯の収入が最低生活費を下回る場合とされており、その基準を満たしていれば可能となります。しかし、生活保護を受けるためには資産などは処分しなければいけないので、住宅ローンなどがある場合は生活保護を受けることができません。

一方障害年金は障害がある人に支給されるものなので、対象者の借金の有無は関係なく条件さえ満たしていれば受給できます。障害年金には、生活保護のような借金に関する制約は一切ないということがわかります。

借金返済が滞ると、口座に入金した障害年金は差し押さえられる

障害年金は差押禁止債権となっているため、仮に借金を滞納していたとしても差し押さえの対象にはなりません。しかし、その障害年金が口座などに振り込まれた場合は差押禁止債権ではなくなるので、差し押さえの対象となってしまいます。

以下について、それぞれ解説していきます。

借金により預金や資産が差し押さえの対象となる

借金を滞納してしまうと、債務者はその預貯金や資産が差し押さえになってしまいます。経緯としても、すぐに差し押さえにはならず、督促を繰り返した後、債務者に返済する意思がないと判断した場合の強制的に処置となります。

できれば差し押さえになる前に、借金の解決をしたいものです。

障害年金は口座に入った時点で預金債権に性質が変わる

上記にて、借金を滞納した場合は、差し押さえの対象となるといいましたが、障害年金については、国で差押禁止債権となっており、その限りではありません。しかし債務者の口座などに入金された場合は、預金債権に変わることになり差し押さえが可能となります。

お金の出所によって差し押さえの可否が決められていますが、その後の流れによってはその性質が変わってしまうことになるので注意したいところです。

障害年金を使って借金返済をしても良い

障害年金はその性質上、条件を満たしていれば受けられるもので、生活をするための資金ではないので、その用途に制限はありません。そのため、仮に借金の返済に充てようとも、何かしらの処罰があるわけではないのです。

以下について、それぞれ解説していきます。

障害年金の用途は定められていない

生活保護であれば、その資金を借金の返済に充てることは例外を除いて禁止されています。しかし障害年金においては、その制限がなく、借金の返済という用途に充てても問題はありません。障害年金は生活保護のような生活を保障する資金ではないために用途が自由であるものと考えられます。

満足に働けない場合、生活を維持することも大事

いくら用途が決まっていないといっても、障害年金を受給しているということは満足に働くことができないということです。なので、生活を維持もしくは豊かにするためにその資金を使っていきたいところです。

障害があるだけで相当生活が不自由であると思うので、障害年金はそうした人を援助するために存在します。

障害があっても、借金を免除してもらうことはできない

障害を持っているからと言っても、基本的に借金が免除になることはありません。障害者手帳には、借金が免除になるような文言は書かれていないからです。自分が作ってしまった借金は、責任をもって返済する必要があります。しかし、例外的に住宅ローンについては保険にあらかじめ入っておけば残高が0円になるのです。

障害者手帳には借金が免除されるということは書かれていない

障害を持っている人が所有する障害者手帳で、様々な優遇処置を受けることができます。

交通機関の免除や割引、国税・地方税の免税、医療サービスの助成などそのサービスは多岐に渡ります。

しかし、その項目の中には借金の免除というものはなく、障害者であっても借金問題は自力で解決しなければなりません。

住宅ローンはあらかじめ保障に入っていれば返済が免除される

障害者であっても、借金問題は自力での解決をしなければならないのですが、住宅ローンについては例外があります。住宅ローンを組んだあとに、重度の障害になってしまった場合は残った借金が免除になります。

これは、あくまでも住宅ローンを組んだ後にの場合なので、組む前に障害があっても免除の対象にはなりません。

障害で借金が返済できなくなったときは債務整理を検討する

流れ

障害によって借金の返済が難しくなった場合は、早めに債務整理を選択することが最良かと思います。確かに、障害年金の支給や障害者手帳によって、様々な減免や免除を受けられますが、できればそのお金は生活を充実するために使いたいものです。

債務整理の種類について、以下それぞれ解説していきます。

任意整理

借入先との話し合いによって、借金の利息がカットされ、返済が一気に楽になります。債権者が承認することが条件ですが、裁判所を通す必要がないため、手間もかかりません。

また、債権者としても利息カットを譲歩する代わりに、3年での完済計画を約束できるので、双方にメリットがあります。

自己破産

自己破産は、主に返済能力がなく、返済の目途が全く立っていない人に大きな恩恵があります。借金の理由である免責が認められることによって、借金がゼロになります。

しかし、その際は財産を全て放棄しなければいけないデメリットがあるので、注意したいですね。

個人再生

自己破産のように借金がゼロにできるわけではないが、最大で4/5もの借金の減額が見込めます。また、財産も放棄する必要はなく、自己破産のような大きなデメリットはありません。

個人再生した場合は、債権者より3年ないし5年以内での完済を求められますので、その見込みがあれば是非利用したいですね。

自己破産を行い借金を無くした後に障害年金の申請をするべき理由

障害を持つようになり障害年金の申請をする際、借金の解決を自己破産でしようと思っていれば先に自己破産をした方が良いのです。

なぜなら自己破産の際は資産を全て放棄しなければならないのですが、それは障害年金も同様なのでできれば障害年金の申請は後にしておきたいですね。

自己破産の経験が障害年金手続きの妨げになることは無い

自己破産後に障害年金の手続きをしたとしても、手続きは滞りなく進みます。一刻も早く障害年金を受給したいという気持ちはわかりますが、損をしないためにも優先順位を立てることが必要です。

自己破産はその大きなメリットの裏には、このような大きなデメリットがあることを頭に入れておくと良いです。

障害年金を受けていることが債権者から追及される可能性がある

自己破産における、破産決定前の財産については、権利も含めて全てが放棄の対象となります。そのため、すでに障害年金を受給していると当然、債権者から追及されることになります。なので、障害年金の手続きは、自己破産の破産決定が出てから行うのが望ましいとされているのです。

障害で借金返済が難しく、債務整理の費用が払えないときは?

障害を受けている人は、程度にも寄りますが、満足に労働することさえ叶わず、収入が不安定になります。そのため、借金などがあれば当然債務整理を利用しようとするのですが、かかる費用の支払いですら困窮してしまうことがあります。

そういった場合どのような方法があるのでしょうか?

相談費用の分割払いをお願いする

債務整理を1人でやるという人はまずいないでしょうから、当然専門家を頼ることになるはずです。その際には弁護士や司法書士に報酬を支払わなければいけないのですが、これについては分割払いが可能なことが多いです。

また、裁判所の費用についても予納金の分納を認めてもらえるケースがあるので、お金がないことを理由に債務整理を諦めないでください。

法テラスの費用建て替え制度を利用する

裁判などの法的制度を利用したいのに低所得を理由にそれができない人は、法テラスを利用することをおすすめします。国が運営する法テラスでは民事法律扶助という制度があり、生活困窮者が法的制度を利用する場合に、その費用の立て替えをしてくれるというものです。

立て替えてもらった費用については、毎月少しずつ返していけば良いので、生活の負担になりにくいのです。

生活福祉資金貸付制度を利用する

この制度は、生活困窮者や障害を持っている人などが受けられる公的制度です。審査には数ヶ月かかることがありますが、正当な用途であれば、地方自治体から極めて低金利でお金を融資できるというものになります。

通常の金利は年1.5%と超低金利でありながら、連帯保証人を付けることによって無利子となることもあるそうです。

障害年金は借金返済に関係なく申請できる

障害年金は、借金の有無に関わらず、障害を持ってしまった人であれば、基準となる条件さえクリアすれば、誰でも受給できるものです。その障害年金を借金の返済に充てることもできるので、用途による制限は一切ありません。

もちろん、障害年金を受給しながら債務整理も行えますが、自己破産については、障害年金の受給もしくは権利が、債権者からの追及を受ける場合があるので、注意が必要です。その場合は、自己破産を先に手続きをしてしまってから、障害年金を申請することで、問題が解決します。

障害年金は、障害を持ってしまった人の権利ですので、対象の人は是非利用したいものですね。