大学卒業後に追う借金1000万円で自己破産!?奨学金返済の過酷さとは

連帯保証人

奨学金は現在大学生の半数が利用していると言われる制度ですが、これは大学生が本人の名義で経験する初めての借金といえます。奨学金を利用する学生の中には、大学卒業後に1000万円の借金を背負う人もいます。

この記事では奨学金として1000万円ものお金が必要な理由、卒業後におけるその借金の返済の仕方などについて詳しく解説します。

なぜ奨学金が1000万円も必要になるのか

大学へ入学する際に奨学金を借りた、という人は少なくないでしょう。大学の学費や生活費をアルバイトや仕送りなどで賄うことができれば良いのですが、それだけでは不十分な場合も確かに存在します。

特に大学院や医療系の大学へ進学した場合は単純に学ぶ期間が長くなるため、1000万円ほど必要になるケースも考えられます。

学費

大学生活を送る上で最もお金がかかるものが「学費」でしょう。文部科学省令によると、国立大学在学中にかかる授業料の標準額は2,143,200円となっています。また、公立文部科学省「平成29年度学生納付金調査」では、公立大昼間部の平均額は2,153,176円とされています。

一方、私立大学は文系・理系によって学費が異なります。文部科学省「平成28年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査」によると、私立大昼間部の平均額は文系の場合3,664,400円、理系では5,048,500円とされています。

学費が比較的安い国公立大学でも、4年間で200万円以上の学費が必要なのです。仮に大学院へと進学した場合は、より多くの学費が必要となります。

生活費

家賃や食費、光熱費など大学生活を送る上では様々な場面でお金が必要です。アルバイト代だけでこれだけの出費をカバーすることは難しく、仕送りなどの金銭的な援助を受けている学生もいます。

もし援助がなかった場合、金銭的にも精神的にも余裕がない生活を送ることになるでしょう。奨学金は、家庭の経済的な事情により金銭的な援助を受けられない学生たちの心強い味方でもあるのです。

その他

もし金銭的な余裕がなくぎりぎりで生活していた場合、冠婚葬祭といった急な出費に対応することができません。そういった臨時出費も見越して、ある程度の預金は必要だと考えられます。

その他にも医療費やサークル活動にかかる費用など、学費や生活費以外にもお金が必要となる場面は多くあるのです。

卒業とともに借金1000万円の返済が始まる

大学を卒業後、新たな生活と共に借金の返済もスタートします。1000万円もの借金を返済していかなければならないというプレッシャーは非常に大きいものです。

毎月いくらずつ返済していけば良いのか、完済するまでにはどの位かかるのかなど具体的にイメージしてみましょう。想像していたよりも厳しい生活が待っているかもしれませんよ。

毎月の返済額

毎月5万円ずつ返済することができれば、1年間で60万円の借金を返済することができます。ただ、毎月5万円の出費は正直辛いですし、コンスタントに返済できるとは限りません。病気や事故などで働けなくなる、失業するといったことも十分にあり得るのです。

一方で毎月の返済額を2万円ほどに設定した場合、月々の負担は減りますが返済期間が長引きます。そういったことも考慮した上で、毎月の返済額は慎重に決めた方が良いでしょう。

完済までの期間

毎月5万円ずつ返済していった場合、1年間で60万円、10年間で600万円の借金を返済することができます。1000万円を完済するまでには17年ほどかかり、40歳前後で借金を返し終えることになるでしょう。

一方月々2万円ずつ返済していった場合、1年間で24万円、10年間で240万円の借金を返済することができます。1000万円を完済するまでには、なんと42年ほどかかってしまうのです。返済を終えるのは60歳を過ぎてからになるでしょう。

奨学金の利息

学生の多くが利用する『独立行政法人 日本学生支援機構』を例に考えてみましょう。こちらの機関には、無利息の貸与型奨学金「第一種奨学金」、そして利息ありの貸与型奨学金「第二種奨学金」があります。

第二種奨学金の場合は「利率固定方式」と「利率見直し方式」のいずれかから利率の算定方式を選択する必要があり、それによって最終的に返済する額も異なってきます。大学卒業時の金利を見て、どちらの方式が良いか判断すると良いでしょう。

現実的に奨学金1000万円を借金した場合完済できるのか

大学卒業後に背負うこととなる1000万円もの借金、完済することは現実的に可能なのでしょうか。イメージしようにも、金額が大きすぎるあまり完済した自分を具体的に思い描くのは難しいといえます。

平均年収や毎月の生活費などをもとに、返済可能であるかを検討していきましょう。

20代~30代の平均年収

『転職サービスDODA』が調査した2012年のデータによると、20代の平均年収は343万円、30代の平均年収は458万円となっています。年収とは一般的に社会保険料などを差し引かれる前の総支給額を指すため、手取り額とは異なるものです。

また、ボーナスに加えて住宅手当といった各種手当も年収に含まれるため、月々受け取れる額には個人差があります。

毎月の生活費は??

毎月の生活費を把握できていないと、計画的な返済が難しくなる、延滞してしまうということが起こりかねません。家賃、光熱費、食費、雑費、交通費、交際費、通信費など、毎月最低いくらあれば生活することができるのかをまずは知ることが大切です。

最低限度の生活ができなければ、借金を返済していくことも難しくなるためです。自分の生活費を把握した上で、節約できるところは節約していきましょう。その浮いたお金を借金の返済や貯金に回すことができれば、心に余裕をもつことができます。

生活費以外の支出も増える

大学を卒業すると、結婚やマイホーム購入といったライフイベントを経験する人もいるのではないでしょうか。それらのイベントには多額の費用がかかりますので、新規のローンを組んで新たな借金をつくってしまうことも十分に考えられます。

医療費や冠婚葬祭による急な出費、人によっては育児費がかかることもあります。生活費が確保できていれば良いと考えるのではなく、これらの支出に備えてある程度の貯蓄が必要でしょう。

奨学金を返済できなくて自己破産するパータンも

毎月決まったお金を10年以上払い続けるのは簡単なことではありません。奨学金は何度か滞納してしまうと一括返済を求められることや法的な処置をとられることもあります。

そうなる前に対処することができれば良いですが、奨学金の返済については周りの人になかなか相談しにくいものです。では、奨学金の返済が滞って自己破産するケースにはどのようなものがあるのでしょうか。

正社員でも収入が低くて生活することだけで精一杯

正社員として就職しても、特に新入社員の場合は十分な収入が得られないということがあります。自分の生活だけで精一杯の時、奨学金を返せるような金銭的な余裕はないでしょう。

また仕事や奨学金の返済に追われることで、心の余裕もなくなってしまいます。奨学金の返済は一度滞ってしまうと、翌月の支払いはさらに厳しいものとなります。そういった状況が何度も続いてしまったが故に、自己破産するというケースが考えられます。

大学院を卒業したがうまく就職できなかった

大学院を卒業したにも関わらず、いわゆるニートや非正規労働を余儀なくされている人達がいます。また「高学歴ワーキングプア」という言葉もあるように、今でもなお博士課程を修了した人の就職は厳しい状況です。

大学院を卒業した人は特定分野の専門的知識を持っていますが、民間企業でその知識をすぐに活用できる機会は限られています。そういったギャップが原因で就職できず、結果として奨学金の返済も難しくなると考えられます。

生活費や返済分が足りなくなり借金をしてしまう

大学を卒業後、全ての人が正社員として働ける訳ではありません。中には就職先が決まらず、契約社員や派遣として働く人もいるでしょう。

そういった場合、正社員ほどの待遇は望めないため生活費が足りなくなることも考えられます。生活費が足りないのであれば、当然奨学金を返済できるはずがありません。それらを補うために新たに借金をしてしまい、自己破産に至るケースもあります。

奨学金が返済できない時どうすればいい?

奨学金が返済できないからといって放置していても、自分に不利益なことしか起こりません。もし返済できそうにない場合、下記に紹介する制度などを利用するのも1つの手です。

返済できなくなってから困るのではなく、早め早めに対応することが大切です。自己破産をしないためにも、できる限りの手を尽くしましょう。

猶予制度を利用

災害や経済困難、失業など、奨学金の返済が困難な事情が生じた時に利用できる制度です。返還期限の猶予を願い出ることが可能ですが、延滞する前にすみやかに手続きを行う必要があります。

また、返還すべきお金や利息が免除される制度ではないので注意が必要です。審査により承認された期間に関しては返還する必要がありませんが、適用期間後は返還が再開されます。それに伴って返還終了年月も延期されることを覚えておきましょう。

減額制度を利用

毎月の返済額を減額して返済することができる制度です。災害、傷病、その他経済的理由により返済が困難な人の中で、毎月の返還額を減額すれば返還できる人が対象となります。

無理なく返済を続けることが可能ですが、返済額そのものが減額される訳ではなく、返済期間も長くなります。必要書類を提出するだけで手続きは完了しますが、奨学金を延滞している時に申し込むことはできません。もし条件に当てはまり使用したい場合は、早めの申請を心がけましょう。

自己破産以外の債務整理をする

借金を減額させたり支払いに猶予をもたせたるなどして借金に苦しむ人々を助ける法的な方法を「債務整理」といいます。借金に困っている人なら誰でも利用することができるのが特徴です。

債務整理には自己破産の他に下記のような手続きがあります。

任意整理

借入先の債権者と話し合い、借金の返済方法を決め直す方法です。債権者との合意後、支払い利息をすべてカットしてもらうことが可能です。

借金の総支払い額が大きく減額される、手続きが簡単で利用しやすいというメリットがあります。

個人再生

現在の借金が返済困難であることを裁判所に申し立て、借金を大幅に減額してもらう方法です。借金の元本自身を減額することができるだけでなく、住宅などの財産を維持したまま借金の整理ができるという特徴があります。

在学中の過ごし方にも気を付けよう

大学生活において勉強はもちろん重要ですが、サークル活動などこの時期にしかできないことも多くあります。だからといって、お金を浪費して良い訳ではありません。奨学金を借りている場合は尚更です。

借りている金額は自分の生活に見合っているか、借りすぎてはいないかを今一度確認してみましょう。将来奨学金の返済に困らないために、在学中の過ごし方にも気を付けましょう。