借金の保証人は相続放棄で免れる?相続で借金まみれにならないために

借金の保証人や連帯保証人は、どこまでの責任を負うのでしょうか。それは、被相続人が亡くなっても、その効力を発揮するということです。それが連帯保証というものなので、逃げることはできません。

今回は、借金の保証人や連帯保証人について、相続放棄をテーマに詳しく解説していきたいと思います。

亡くなった親が借金の保証人または連帯保証人になっていた

親が亡くなった場合、その財産や借金を相続人は相続しなければなりません。もし仮に亡くなった親が、借金の保証人または連帯保証人であった場合は、どうでしょうか。

この場合も、相続人はその連帯保証の責任を、財産や借金同様に引き継がなければならないのです。しかし、相続放棄をすることによって、その責任を放棄することができます。

借金の保証人と連帯保証人の違い

借金をする際に、債務者は保証人または連帯保証人という人を立てなければならないケースがあります。具体的に保証人または連帯保証人は、どのような責任を負わされるのでしょうか。

保証人

契約した債務者と同様の責任を負わされるのが、保証人になります。しかし保証人は、連帯保証人とは違い、3つの権利を主張できます。

それぞれ、催告の抗弁権、検索の抗弁権、分別の利益とよばれています。保証人はこの3つの権利を主張することで、債務者と同様の責任を負いながら、返済を優先的に債務者に流すことが出来ます。

連帯保証人

連帯保証人には、保証人のような3つの権利の主張は認められていません。さらに、債務者と同等の責任を負わされる以上に、場合によっては債務者よりも、多くの返済をしなければならないことがあります。

債権者からみれば、債務者が2人いるようなもので、連帯保証人の存在によって借金の回収が非常に容易になるのです。連帯保証人の責任や義務はそれほどまでに重く、安易になってはいけないというのはこういった部分からきているのです。

借金の保証人・連帯保証人も相続される

被相続人の相続は、財産や借金だけではなく、保証人や連帯保証人であれば、その連帯保証も相続人は相続しなければいけません。保証人や連帯保証人は、主たる債務者である人が返済できない状況に陥った場合などに、代わりに返済しなければならない責任があります。

相続の概念が、被相続人の財産や負債およびその責任を全て引き継ぐということですから、当然相続されるべき事項に入ることになります。このように、亡くなっても残された相続人に迷惑がかかってしまうので、安易に保証人や連帯保証人を引き受けるのは止めましょう。

借金の保証人・連帯保証人は相続放棄をして回避できる

被相続人が、借金の保証人または連帯保証人であった場合、相続人はそれを相続しなければいけないのですが、放棄することもできます。それは、財産や借金と共に、相続放棄してしまうのです。

相続放棄すれば、保証人や連帯保証人などの連帯保証の責任も放棄することができます。なので、被相続人が保証人や連帯保証人になっていたとしても、必ずその責任を引き継がなくてよいので、安心できますね。

相続放棄の流れ

被相続人の保証人または連帯保証人の責任を放棄したい場合、相続放棄という方法を取ります。では相続放棄の具体的な流れについては、どうなっているのでしょうか。

手続き書類を作成

相続放棄をする際に必要となるのが、相続放棄申述書というものです。この相続放棄申述書は、実際に家庭裁判所に対して、相続放棄を実行する旨を伝える重要な文書になります。

また、被相続人の戸籍謄本、相続人の戸籍謄本もそれぞれ必要になりますので、役所で確実に準備しましょう。相続放棄を円滑に進めるためにも、この必要書類の入手は大事なプロセスになります。

申述書を家庭裁判所に提出

必要な書類を揃えたら、相続放棄申述書を持って、いよいよ家庭裁判所に提出します。

この際、提出方法は郵送での送付もできますが、郵便事故などの可能性もなくはないので、直接持ち込むほうが確実でしょう。提出する家庭裁判所は、被相続人が亡くなった時の住所を管轄する裁判所になるので、間違いのないよう注意しましょう。

家庭裁判所からの送られてくる「照会書」に回答

相続放棄申述書を家庭裁判所に提出すると、いよいよ手続きが進められていきます。提出後1週間ほどで、照会書と回答書というものが、相続人に届きます。

今回の相続放棄の件について、間違いなく相続人の意思によるものなのか、とった旨の内容です。要するに相互確認といったところでしょうか、相続放棄は一度申請するとその決定を覆すことはできないので、最終確認といったところでしょう。

「相続受理証明書」が交付され相続放棄が完了する

照会書における回答書を提出して、相続放棄の手続きに問題ないことが判断されたのち、家庭裁判所から相続受理証明書が交付されます。相続放棄を承認したということになります。

これでこの相続人の相続放棄は完了したので、被相続人の相続権は次の相続人に移りました。できれば、相続放棄を完了した相続人は次の相続人に連絡をすることをおすすめします。そうしなければ、次の相続人が考える時間もなく、熟考期間が過ぎてしまい、対象の相続人が被相続人の連帯保証を負うことになってしまいます。

相続放棄ができなくなるケース

被相続人の保証人または連帯保証人の責任を引き継ぎたくないが、相続放棄ができないケースがいくつか存在します。

被相続人が複数人の保証人または連帯保証人を引き受けていた場合は、その責任もさることながら、借金の金額も気になるところです。こうならないように、事前に相続放棄できないケースを知っておく必要があります。

相続内容を自分の名義に変更した

被相続人の保証人または連帯保証人の責任を放棄するにも関わらず、被相続人の財産を自分名義にしてしまった場合、まずこれが相続放棄ができなくなる1つのケースです。相続というのは、連帯保証もそうですが、預貯金などのプラスの財産、借金などのマイナスの財産もひっくるめて、そう呼ばれています。

ということは、プラスの財産であるものを自分名義にしてしまったということは、連帯保証もろごと相続する意思があると、捉えられても文句が言えない状況となるのです。連帯保証を放棄したのであれば、一切の財産に手を付けることは止めましょう。

借金の催促がきて一部でも返済してしまった

被相続人の借金を1円でも、借入先に返済してしまった場合、これも被相続人の財産を相続すると捉えられてしまいます。何度も申している通り、連帯保証の責任も財産同様の扱いとなります。

被相続人の借金を借入先に返済するということは、もう既に立派な相続人であるということです。このような行為をしてしまった後に、相続放棄することは非常に難しくなってしまうのです。

遺産分割協議書を作成して相続の手続きを進めた

被相続人の財産を相続放棄するにも関わらず、遺産分割協議書を作成してしまった場合、この場合も相続放棄するには厳しい状況です。まず、遺産分割協議書とはなにか、相続人たちが被相続人の財産を相続する上で、誰がどの財産を相続するのかという旨が、記載されている文書になります。なので、遺産分割協議書を作成してしまった後では、相続放棄するといった主張が通りにくくなるといった、不具合が発生します。

もとより、この遺産分割協議書は、複数の相続人で作成するものなので、よって財産を相続する声が大きい可能性もあります。一度、相続人を集めて、その方向性をきちんと決めることが大事です。

相続放棄ができる期間を経過した

相続放棄は、相続人に対して平等に与えられる権利になりますが、その権利が失効する期間は三ヶ月しかなく、早急に決める必要があります。相続人には優先順位があり、配偶者や子供が最優先順位で、父母・祖父母、兄弟・姉妹、といった順番になっています。

なので、仮に配偶者や子供が相続放棄を選択した場合、すぐに次の優先順位である父母・祖父母に、その旨を伝えないと、相続放棄を熟考する期間である3ヶ月はあっという間に過ぎていきます。3ヶ月の期間が過ぎてしまうと、相続放棄の行使は不可能となるので、親族間の連携が非常に重要となってきます。

相続する前に債務状況の確認を

相続放棄するのは簡単ですが、一度相続放棄をすると、撤回は不可能なので、慎重な行動が必要となります。まずは、被相続人の債務状況をしっかりと調査することです。相続放棄の期間は3ヶ月しかないので、早急なアクションが求められます。

その際、借金などの債務状況もさることながら、被相続人が保証人または連帯保証人になっていないかということも非常に重要となります。相続人には、その連帯保証も相続しなければならなく、仮にプラスの財産が優勢であっても、その連帯保証の内容によっては、相続放棄しなければならない場合もあるからです。

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