昨今、景気は良くなっているとはいえ、それでもお金に苦しむ人は少なくありません。
実際そういった背景から、金融機関からお金を借りたはいいが、金策がなく借金だけが膨れ上がっている人は一定数存在します。
今回は、そんな借金が返せない人が辿る末路とそうならないようにする解決法について、詳しく解説していきたいと思います。
借金が返せなくなったらどうなる?
借金を返せなくなった場合、借入先からの催促が強くなっていき、債務者は一層の焦燥感に苛まれることになります。
また、借りた金額に対する金利が増えていき、いつの間にか返済が困難なレベルの、借金を抱えてしまうことになるでしょう。
最悪の場合、借入先によって、裁判を起こされてしまい、財産の差し押さえが実行され、何もかも失ってしまうことになります。
なので、借金が返せないと判断したときには、早急に債務整理などの対応を取ることが、大事に至らない予防線となるのです。
借金が返せなくなった人のリアルな末路
借金が返せない現状、借入先から毎日催促の連絡がきて、生きている心地がしなくなり、結果夜逃げという選択を取ってしまった人がいます。
夜逃げとは、主に借金苦に陥った人が、債権者の前から一切の姿を消すことにより、借金の時効を目的とした行動です。
確かに、借金苦という地獄から逃げるために夜逃げをしたとして、それで借金の時効に至れば意味もあるでしょうが、実際に夜逃げをした場合は、また違う地獄が待っているのです。
まずは、住民票を移せないことにあります。
住民票を移すことににより、債権者はすぐに足取りを捕まえることができ、夜逃げの意味を成しません。
よって、夜逃げした後は住民票は一切利用できないということになり、同時に健康保険などの行政サービスも受けることができないということになります。
さらには、口座振込による給与も受け取れないですし、夜逃げした後の生活は法律で定められている、最低限度の生活以下ということです。
あとは、精神的な部分でいえば、いつ場所を特定されるかわからないと震えながら、毎日を生きていくという生き地獄を続けていかなければなりません。
借金が返せなくなった時の末路のパターン
実際、借金が返せなくなった場合の対処法について考えてみます。
どんな方法でもいいので借金をなくす方向で考える、借金そのものから逃げてしまう、大きく分けると2パターンがあります。
後者は結果的に前者と同じですが、今するか、しないかの違いになります。
いくつか抜粋したので、それぞれ解説していきます。
夜逃げ
現在の生活そのものを捨てる、夜逃げという行為になります。
夜逃げによるメリットは、一時的な不安からの脱却と将来的な借金の時効というところでしょうか。
正直、デメリットの方が大きく、夜逃げした後の生活は、一般的な人の生活とはかけ離れています。
いつ債権者に場所を特定されるかわからない不安、住民票を移せないことによる様々な部分での不都合、それらを抱えて生きていかなければならないのです。
また、家族などがいれば、家族にもたらす影響も大きいのです。
時効援用
借金には時効があり、借入先によって5年か10年とその期間は定められています。
しかしこの時効の援用に至るまでには、様々な困難な条件をクリアしていかなければならないのです。
まず、その期間中は債権者から催促を受けたり、返済に応じたり、裁判などを起こされないことなどが条件にあります。
これを時効の中断といいますが、この時効の中断が一切なく、一定の時効期間を完走しなければならないという、非常に難易度の高い道になります。
この時効の援用は達成が極めて難しく、現実的な方法とはいえないのが現状です。
強制執行
借金の返済に応じることもなく、連絡にも取り合わずとしていると、債権者は裁判を起こすことがあります。
債権者は裁判を通して、債務者の借金を差し押さえて、借金の返済に充てようとします。
この際の裁判所の決定を強制執行と呼ぶのです。
差し押さえには、まずは銀行口座、次は動産や不動産と優先順位があり、現金を優先的にして、足りなければ物や土地をお金に換えます。
この強制執行による差し押さえが実行されれば、債務者は何の抵抗もできず、この決定に抗うことはできないのです。
債務整理
借金が返せなくなったときに、やるべきはこの債務整理です。
債務整理にはいくつか種類があり、自己破産という方法は、借金がゼロになる可能性があります。
もちろん、借金の金額によって、自己破産をするべきではないケースもありますが、とても魅力的な方法なのです。
他には、任意整理といって債権者が応じてくれることが条件ですが、利息カットによって返済が楽になったりします。
個人再生では、借金の大幅な減額によって、自己破産をしなくても、多額な借金の返済の目途が立てれるようになります。
借金が返せなくなったときは「債務整理」を検討
借金の返済に困った場合は、債務整理という方法を検討しましょう。
夜逃げなどはリスクが大きく、また借金の時効援用も現実的ではありません。
債務整理は、借金に困っている人を救済する、国が設けた処置であり、誰でも利用できます。
借金の金額は少なければ、利息カットなどで返済を助けてもらえますし、多額であれば大幅な減額もしてもらえることができます。
なので、法律事務所では初回であれば無料で相談を受けてくれるので、気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。
債務整理とは
返せないほどの借金を抱えてしまったら、絶望を味わい続けて生きていくしかないのでしょうか。
いえ、この国の制度には債務整理という制度があり、借金に苦しむ人を救済する処置が整備されています。
その債務整理について、代表的な3つを紹介していきます。
任意整理
借入をした相手、つまりは債権者との話し合いによって、借金の減額の相談に乗ってくれます。
確かに借金が返せなくなって、会わす顔はないかもしれませんが、返済できないのは事実なので、その旨をしっかり伝えましょう。
この任意整理では、話し合いによって、利息カットなどの債務者にとって有利な対策が取られることがあります。
もちろん、債権者が話し合いに応じてくれることが大前提にはなります。
個人再生
個人再生は、借金の大幅な減額が認められることがあります。
最低弁済額というものがあり、それは借金の金額によって変動することになりますが、最高で借金の4/5カット、つまり借金の1/5しか返済しなくても良いことになります。
これは大きなメリットですが、引き続き安定して返済ができる能力が求められますし、ブラックリストに登録されるので、向こう5~10年はローン組みなどはできなくなります。
ですが、自己破産のように財産を手放す必要はないので、大変魅力的な解決法といえます。
自己破産
自己破産は、借金の全額カットができる、債務整理の中でも、減額幅でいえば最高の方法です。
しかしデメリットは多く、まず免責つまり借金に至った理由が、重要になります。
投資などのハイリターンのギャンブルでは、まず免責は認められませんが、パチンコなどのギャンブルでは、免責が下りることもあるそうです。
また、個人再生同様ブラックリストに登録されるので、しばらくはローン組みなどはできません。
個人再生とは違うという点でいうと、自己破産では財産を全て手放さなければいけない部分になります。
返せなくなるほど借りてはいけない
根本的な部分をいうと、返せないほどの借金を抱えない、つまりは借りすぎないことです。
この国では、総量規制という制度があり、収入の1/3以上は借入ができないようにはなっていますが、結局それは貸金業法の中での話であって、銀行などは別の管轄なので、借金苦に対する完全な予防線とはなっていないのが現状です。
なので、借りる人自身が自制しなければいけないのです。
よく言われますが、お金を借りるときは、返すことをしっかりとイメージすることが、何よりも大事なことです。
借金が返せなくなったからといって「終わり」ではない
借金が返せないからといって、放置することが一番悪です。
放置することに何の利益もないですし、メリットもありません、自分の首を絞めるだけになります。
ある程度自分の中で、借金の返済ができない、無理だという判断は付けれると思います。
その際は、早急に債務整理を選択することが最良の選択だと思います。