公正証書を作成すると借金の時効期間はどうなる?

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公正証書を作成すると借金の時効期間はどうなるのでしょうか。

そもそも公正証書とは、法務大臣によって任命された者が作成する、公文書のことです。

公正証書は公文書であり安全性や信頼性をもち、証明力・執行力を有しています。

その公正証書によって、借金の時効期間はどう変わるのでしょうか。

借金の公正証書とは

手続き

公正証書自体については上述した通りですが、借金の公正証書とはどんなものなのでしょうか。

借金の公正証書とは、単純に言えば、借用書のことです。

正式には金銭消費貸借契約公正証書といいます。

借金の公正証書は、借金の金額が高い場合や、返済するための期間が長い場合などに、借金を踏み倒されたりしないために作成されることが多いです。

また、親族間の相続問題の対策として生前に作成されることも少なくありません。

では、この借金の公正証書を作成した場合、借金の時効期間はどうなるのでしょうか。

公正証書を作成した場合の借金の時効期間

公正証書を作成した場合の借金の時効期間は、どうなるのでしょうか。

公正証書を作成すれば、時効は消滅するといううわさもありますが、実際に時効が消滅することはありません。

時効は、公正証書を製作した場合でも変化しないのです。

公正証書を作成しなかった場合の時効期間と同じく、商人からの借金だったら時効は5年、そうでない場合の時効は10年になります。

時効が消滅しないのは、公正証書を作成したとしても、借金の性質自体が変化するわけではないためです。

また、時効の援用についても、公正証書を作成していない場合の時効の援用と同じように、時効を援用するという意思表示をしなければ、時効を援用することはできません。

時効期間が過ぎているだけでは、時効とならないのです。

時効の援用をするということを伝えていなければ、時効期間が過ぎていたとしても、時効ではないとされ、債権者から訴えられてしまう可能性があります。

そのため、時効を援用したい場合には、しっかりと時効援用の意思表示をしましょう。

また、公正証書は借金の時効のみならず、他の時効にも変化を与えません。

相続に関する遺言を残すときにも、期間が過ぎれば時効になってしまいます。時効には注意が必要です。

公正証書を作成する基準の金額は?

公正証書を作成する基準の金額はいくらくらいなのでしょうか。

公正証書を作成するには、公証人手数料令で定められた、公証人手数料が必要になります。

また、プロに書面の作成を依頼するとなれば、その依頼料もかかります。

さらに、定める項目や取り決める金額によってそれらの金額は変化するのです。

そうなると、公正証書を作成する基準の金額は、少なくともその手数料らよりも上の金額が妥当であるといえます。

具体的な手数料は、借金が100万円以下の場合は5000円、200万円以下の場合は7000円、そのあとも同じように、費用が増加していきます。

作成依頼は、5万円ほどが平均相場のようです。

公正証書を作成する基準の金額は、最低でこれ以上として考えるのがおすすめです。

借金の公正証書に必ず記載する項目

借金の公正証書に必ず記載する項目についてみていきましょう。

必ず記載すべきな項目は、

  • ①借金の金額
  • ②借金返済の開始日
  • ③借金の完済予定日
  • ④債務者の住所・氏名・印
  • ⑤債権者の住所・氏名・印

です。

また、記載したほうがいい項目として、

  • ①借金の発生日。いつお金を貸し借りしたか。
  • ②借金の発生原因。会社を興すため、家を買うためなど、借金の理由。
  • ③借金の返済方法。分割なのか一括なのか、いくら返すのか、いつまでに返すのか、振り込みを行うのかなど。
  • ④利息。利息をどうするのか、利息の支払い方法など。
  • ⑥保証人や担保
  • ⑦借金の返済を滞らせた場合の強制執行に関して

などがあげられます。

公正証書の作成時に強制執行の項目を設けることで、時効を狙われ借金を踏み倒されそうになった時に、裁判を起こすことなく強制執行を行うことができるのです。

公正証書の作成手順

公正証書の作成はどんな手順で行うのでしょうか。

  • ①公正証書を作成する公証人へ、作成する文書の内容を確認する
  • ②公正証書の下書きを作成する
  • ③必要な書類を集める
  • ④日程を合わせる

までが事前準備の流れになります。

当日の流れは

  • ⑤決められた役場へ出頭する
  • ⑥公証人に口授してもらう
  • ⑦原本へ署名捺印をする
  • ⑧謄本を交付する
  • ⑨公証人が正本の送達を申請
  • ⑩公証人が特別送達を手配になります。

その後日、

  • ⑪公証人から送達の完了連絡をもらう
  • ⑫送達証明書を受け取る

以上で、公正証書の作成は終了になります。

1日では作成を完了することができないので、注意してください。

債務者、債権者どちらも専門家に任せると安心

流れ

債務者、債権者も、専門家でない限り、公正証書の作成は難しいものです。

多少費用はかかってしまいますが、それよりも損をすることがないよう、借金の返済をより確実にしてもらうため、どちらも専門家に任せることがおすすめです。

また、上述した通り、公正証書を作成しても借金の時効期間に変化はありませんが、公正証書の作成時に強制執行の項目を設けることで、時効を狙われ、借金を踏み倒されそうになった時に、裁判を起こすことなく強制執行を行うことができます。

公文書は絶対であるため、作成する際は債務者も債権者も、専門家の力を借りて慎重に作成しましょう。