大学に進学する際に奨学金を利用している学生も多いのではないでしょうか。
奨学金の返済が滞っているなどのニュースも時折目にしますよね。インターネット上では奨学金は借金なのかどうかということが議論になることがあります。
実際のところ大学生が利用している奨学金は借金なのでしょうか。
この記事では、奨学金の種類や奨学金の平均額、奨学金返済を滞納するとどうなるのかを紹介していきます。
大学生の半数が利用する奨学金は借金である
大学進学が当たり前になりつつある世の中において、奨学金は大学生やその親にとって非常に嬉しい制度です。半数近い大学生がこの奨学金制度を利用しているといいます。
奨学金の多くは「貸与型」と呼ばれるもので、返済義務のあるお金です。用途が決められた利子の低い借金に近いかもしれません。
大学生は大学卒業し社会に出た段階で、借金を抱えてのスタートということになります。
奨学金も借金であることを認識できている大学生は少ない
大学進学に必要なお金を賄える制度という認識はありますが、奨学金制度の内容に対して理解が不十分な大学生も多いと聞きます。
奨学金は返済不要のものもありますが、大部分は返済の必要があるものです。進学のために借金をしているような状態ですが、大学生にその認識が薄いのはなぜでしょうか。
- 多くの人が利用しているため、奨学金を借りることに抵抗感が薄い。
- 学費に充てられるため、借りたお金を自分でコントロールしている意識がない。
以上のことから借金の感覚が薄まっていると考えられます。
大学生用の奨学金はどんなものがある?
①給付型
返済が不要の奨学金です。一定以上の成績評定者を対象とするなど、貸与型と比べて厳しい条件のものが多いです。
大学独自の給付型奨学金をはじめ、自治体やスポーツ振興団体などが運営している奨学金もあります。成績優秀な学生は給付型奨学金の利用を検討すると良いでしょう。
新聞社運営の奨学金もあり、こちらは大学在学中に新聞配達をすることを条件に大学での費用を負担してくれます。
入学後に申請できる奨学金もあるので、入学前に給付型の奨学金を受けられなかった人でもチャンスはあります。
②貸与型
返済が必要な奨学金です。日本学生支援機構から利用するケースが多いのではないでしょうか。
日本学生支援機構の奨学金、利息なしの第一種と利息ありの第二種があります。
- 第一種は高校での成績評定3.5以上などの条件があります。(ただし低所得者世帯はこれに限りません)
- 第二種はそれ以外。
第一種で申請した場合、審査を受けることになります。給付型同様に様々な団体が奨学金制度を運営しているので、自分の環境にあったものをじっくりと考えてみたいですね。
大学生が借金している奨学金の平均額は?
給付型を除く奨学金の平均額は大学4年間で約288万円です。
この金額を大学卒業後の社会人生活スタート時に、借金として抱えているのですから結構な金額で驚きます。社会人一年目からプレッシャーとして、精神的な負担になってしまう可能性もあります。
奨学金を滞納するとどうなる?
奨学金が返済ができなかった場合、1回であれば延滞金は発生せず次回の請求額に加算されます。2回以上滞納すると延滞金が発生します。
複数回繰り返し滞納すると、個人情報機関に滞納記録が登録されてしまいます。いわゆるブラックリスト入り状態になってしまいます。
一度ブラックリストに登録されると、返済完了後5年間はクレジットカードやローンの審査通過が困難になる可能性があります。
奨学金の返済に困ったときにするべきことは?
失業や疾病を原因として収入が減り、返済に困ってしまうケースがあります。
返済困窮した場合に、無理なく返せる所得連動返還方式という返済手法が平成29年に誕生しました。所得に応じて月々の返済額が決まる返済手法です。
今までは定額返還方式という手法で月々の返済額が決まっていました。常に一定の金額を返す方法では、収入が減った場合返済が困難になってしまうケースがありました。
所得連動返還方式により、無理なく奨学金の返済が可能となったのです。
大学生は奨学金も借金であることをしっかり認識するべき
奨学金の種類や滞納してしまったときの対処法、そして新たな返済方法についてご紹介しました。貸与型の奨学金を借りている方は、返済の必要があることを再認識しましょう。
給付型のような無償の奨学金もありますが、多くが返済が必要になる奨学金です。
これから奨学金を検討している方は、その点を理解の上で奨学金制度を利用するようにしましょう。