債権回収会社は分割払いに応じてくれる?債権回収会社との交渉は?

債権回収業者というものが世の中にはあります。彼らは債権を債権者から買い取り、それを債務者から回収することで利益を出している業者です。

債権回収業者は債務者に一括での支払いを求めますが、分割払いには応じてくれないのでしょうか。この記事では債権回収業者が分割払いに応じてくれるかについてご紹介いたします。

債権回収会社も交渉次第では分割払いに応じてくれるかも

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債権回収業者も鬼ではありません。彼らは債権者からお金を回収するように頼まれているわけですから、あくまで債務者からお金を回収できればそれがゴールなのです。無論、彼らは闇金とは違いますから、違法な取り立てをすることはありません。法律に則った上で、回収を行うだけなのです。

もし債務者から合理的な説明があり、分割払いの方が確実にお金を回収できると判断したならば分割払いに応じてくれるかもしれません。もし分割払いを希望するならば、当然ながらそれ相応に真摯な態度で交渉をする必要があります。

債権回収会社とは

債権回収業者から連絡が来たとしても、借り入れ先では無い以上馴染みも無いですしどのような業者か分からない方もいらっしゃるかもしれませんね。ここでは債権回収業者の実態について触れていきます。

債権回収業者の役割や概要

債権回収業者は別名サービサーと言います。金融機関からローンなどの債権を買い取り、その取り立てを行う業者を指します。彼らは債務者に対して連絡し、支払いを督促したり競売の申し立てをすることでお金を回収しようとします。

かつては弁護士以外が債権回収を行うことは違法だったのですが、サービサー法によって現在は弁護士以外でも代理人として債権回収を行うことが合法になっています。法務大臣から許可を受けた業者のみが債権回収業務を行えるのです。

債権回収業者として認可されるには以下の条件を全て満たす必要があります。

  • 反社会的勢力との関わりが無い。
  • 資本金が5億円以上ある。
  • 1名以上の弁護士を取締役に擁している。

法務省認可であれば闇金や暴力団とは無関係

上に書いた通り、債権回収業者として営業するには法務大臣の許可が必要です。法務大臣に認められた業者は闇金、暴力団と言った団体とは無関係と言えます。

しかし逆に言えば、認可されていない債権回収業者はただの違法業者です。この場合詐欺を狙っている可能性が非常に高いので、連絡が来ても焦らずにまずは電話番号や業者名で検索を掛けてみましょう。

原則分割払いでは無く一括支払いを求めてくる

債権回収業者としては、債権を買い取っている以上何が何でも債務者からお金を回収する必要があります。そのため、彼らは原則として債務者に対して一括払いを求めてきます。

期限の利益喪失というものがありますがこれは債務の支払の猶予のことを指し、基本的には債権者側にこの利益があります。しかし債権回収業者からすると、いつ回収できなくなるか分からない相手に対していつまでも待っている余裕はありません。そのため、債務者側の信用に不安があるなど一定の事由がある場合は期限の利益が損失することで、債権回収業者は一括での返済を求めるのです。

債権回収会社からの連絡を放置する危険性

危険

債権回収業者からの連絡を放置するのは良くないということは既に書きました。では実際に放置しているとどのような危険性があるのでしょうか。

その危険性についてここではご紹介いたします。

連絡から比較的早期に法的手段を取られる可能性が高い

既に書いた通り、債権回収業者は債権者から債権を買い取るところから業務は始まります。買い取っている以上お金を使っているわけですから、何が何でも債務者からお金を回収しようとします。回収できなければ損をするだけでなく業界での自分たちの評判が悪くなり、仕事に差し支えてしまうからです。

ですから、彼らは法的手段を取るまでにさほど時間を掛けません。債務者が要求に応じない、そもそも連絡がつかないなどという場合には差し押さえや競売の申し立てなどの法的手段を取ってきます。

時効の援用は難しい

債権回収業者から連絡があった場合、その借金の時効の援用を狙うのは難しいものです。何故ならば本来の債権者は債務者からお金を回収したくて債権回収業者に委託をしているからです。

時効の援用をするには様々な条件がありますが、その中で時効までに貸主つまり債権者から請求が無かった場合というものが存在します。ですが、委託をされた債権回収業者がわざわざ時効の経過を待つという事はありえません。ですから時効の援用は不可能と言って差し支えないでしょう。

もし心当たりが無い場合は?

債権回収業者とは言え彼らも人間です。もしかしたら掛け間違いの可能性もあります。もし借金したことすら無い、身に覚えが無いという場合は電話番号や業者名で調べてみましょう。

債権回収業者というのは法務大臣の許可のもとで業務を行っています。このためその記載が無い場合は詐欺を狙った架空の業者という事になります。

このため、法務大臣許可の債権回収会社以外は無視して構いません。寧ろ連絡する方が悪手と言えます。一方で法務大臣許可の債権回収会社であれば、間違いであるにせよ必ず連絡した方が良いでしょう。

債権回収業者から来る連絡の流れ

流れ

債権回収業者から連絡があったとして、彼らはその後どのように動くのでしょうか。まずは債権を買い取った旨を債務者に伝え、今後自分たちが取り立てるということを主張します。その後は彼らから直接の督促が始まり、それを無視していると法的手段に出るのです。

債権譲渡の通知連絡

債務者に対し電話で連絡を取り、本来の借り入れ先から債権を譲渡された事実を通知します。連絡が取れるまでは彼らも電話を何度も続けますから、余程の人でなければ一度目に出れなくても何度も掛かってくれば不思議に思い、どこからの電話なのか調べるのではないでしょうか。

債権回収業者から直接の支払い督促

債務回収業者から直接の支払い督促が始まります。これは既に書いた通り借金全額を一括で支払うように迫るものです。この督促を放置していてはいけません。

しかし、もしかしたらこの時点で借金の消滅時効を過ぎている場合もあります。最後に請求があった日、あるいは最後に返済をした日から5年経過している場合は、連絡をとってはいけません。借金の存在を認めたと見なされ、時効が無効になってしまうからです。

裁判所を通して支払い督促

裁判所から特別送達郵便という形で督促が届きます。これに対して2週間以内に異議を出さない場合は裁判に負けたときと同じ結果になり、債権回収業者は強制執行が可能になります。

もし異議を提出した場合は、裁判所に出頭して債権回収業者と話し合うことになるのです。出頭しなかった場合は債権回収業者の言い分が全部認められてしまいます。

主な債権管理会社

ここでは主な債権回収業者を3つ挙げています。この他にも債権回収業者は存在していますので、ここに載っていないからと油断するのは禁物です。

ニッテレ債権回収株式会社

ニッテレ債権回収株式会社は昭和61年に北海道で設立された会社です。数度の社名変更を経て、今の名前になっています。債権回収業界で初のプライバシーマークを得た会社でもあります。

主な取引先はドコモやDCMX、ソフトバンク、ローソンCSカード、クレディセゾンが挙げられますが、現在は約900社の契約企業があるようです。

パルティール債権回収

パルティール債権回収株式会社は東京都港区に本社がある債権回収業者です。株式会社日本保証の100%子会社であるこの会社は、特定金銭債権の買取と債権の管理回収業務をメインの業務と位置付けています。

主な取引先は楽天カード、イオンクレジットサービス、武富士、帝人ファイナンス、アプラスなどが挙げられます。

アビリオ債権回収株式会社

アビリオ債権回収株式会社は平成22年に設立された債権回収業者で、三洋信販債権回収株式会社とパル債権回収業者の2社が合併した会社です。平成31年現在での取引先は都市・地方銀行や信用金庫、信用組合、保証会社、リース会社など2,000以上もの金融機関となっており、非常に大規模なものとなっています。

主に債務回収を行うのは、プロミス、レイク、ジャックス、SMBCモビット、オリックスクレジットなどの債権が多いとされています。

債権回収会社に分割払いを提案するときの手段

手段

一括で支払うよう債権回収業者から督促が来たもののそれは厳しく、分割払いでなら払えるという場合やそもそも返済が厳しいという場合はどうすれば良いのでしょうか。

選択肢としては2つあります。1つ目は専門家に分割払いの交渉を依頼すること、もう1つは債務整理を検討することです。

弁護士や司法書士に分割払いの交渉を依頼する

債権回収業者が債権回収のプロなら、弁護士や司法書士はそれに対応するプロとも言えます。彼らに依頼すれば、債権回収業者との交渉も対応してくれます。

勿論依頼するためにお金は必要ですが、知識を持たない債務者が債権回収業者を相手に交渉するよりは、その道のプロである弁護士や司法書士に分割払いの交渉をお願いした方が色々とスムーズに事が運ぶでしょう。

現実的に返済が難しいなら債務整理も検討

債権会社から連絡が来たものの、返済するのが難しい場合は債務整理とは抱えている借金の利息をカットしたり、あるいは借金そのものを減額・帳消しにしたりすることができる制度です。債務整理には大きく分けて任意整理・個人再生・自己破産の3種類があります。

任意整理

任意整理は、抱えている借金の利息をカットして3年ほどで元金のみを返済するようにする制度です。任意という言葉があるように、借り入れ先が複数ある場合はどれを整理してどれをしないかを債務者側が選択できます。勿論、全ての債務を整理することは可能です。

しかしこれはあくまで債権者側が応じればの話になります。とは言え現状では債務者が返済できないので任意整理の申請をするわけですから、債権者としては利益は無いものの最低限元金が回収できるのであれば取り敢えず損も無い、ということで応じてくれる可能性は低くはありません。

債権者の善意のもとで任意整理は成立しますから、任意整理のあとは真摯な態度で元金をきちんと返済していくことが求められます。

個人再生

個人再生は抱えている借金の額によって減額できる割合が違うという特殊な制度です。最大で借金を1/5まで圧縮ができ、それを原則的には任意整理同様に3年の期間で返済していきます。裁判所に認められた場合のみ、5年に期間を延長することができます。しかし100万円未満の借金の場合は圧縮されませんから、この場合個人再生は不向きと言えます。また、5,000万円を超える借金の場合は個人再生は利用できません。

自己破産とは違い家や車などの財産を手放す必要もありません。しかし個人再生は任意整理同様に借金の返済は続けていくための制度です。このため、自己破産が認められるのは債務者に安定した収入があると判断された場合になります。

個人再生の手続きは非常に煩雑で、認められるまでに時間が掛かることもあります。また、自治体によっては本当に個人再生をさせたあと返済できるのか履行テストをするとこともあります。履行テストについては以下の記事をご覧ください。

▼個人再生の履行可能性テストって何?どんなことをするテスト?▼
手続き個人再生の履行可能性テストって何?どんなことをするテスト?

自己破産

自己破産は借金そのものを帳消しにできる制度です。99万円以下の財産ならば手元に残せますから、まさに人生の再出発と言える手段になるでしょう。

とは言え自己破産も制約があり、裁判所に支払い不能だと認められる必要があります。支払い不能とは、本人の返済能力を見るに借金を返すことはできないということです。そしてこれは裁判所が判断することなので、本人がそう思っていても違う判断を下される場合もあります。

また免責というものあり、例えばギャンブルにのめり込んで借金を重ねて苦しくなったというように明らかに本人に原因がある借金の場合にはこれが下りず自己破産が認められないケースも存在します。

分割払い希望なら早めに債権回収業者と交渉しよう

債権回収業者は債権を買い取り、債務者から回収するのを生業とする会社です。一括での返済を求めるのが原則ですが、もしかしたら分割払いの交渉に応じてくれるかもしれません。

しかし、何の準備もせずに交渉したところで意味はありません。分割払いがお互いにどのようなメリットがあるのかを示す必要があります。

また、債権回収業者からの連絡を放置するのは絶対にやめましょう。法的手段に出られて泣きを見るのは債務者側なのです。