FX取引で破産してしまう、そんな話をインターネット上で見かけることがあります。
FX取引はインターネットでできる小遣い稼ぎ、財テクの1つとして取り上げられることがあります。
そんなFX取引ですが、破産やギャンブル中毒に近い状態になってしまうことはご存知でしょうか。
この記事では、FX取引とはどんなもので、どうして破産までしてしまうのかを紹介します。
- FX取引はレバレッジで破産する可能性がある!
- FX取引でギャンブル依存症のような勝負の仕方をしてしまう!
- FXで作った借金は自己破産で免責になる可能性がある!
- 困ったら専門家に相談しよう!
FX取引で破産する可能性がある?
FX取引で破産してしまうというのはあり得るのでしょうか?
FXとは何か?
- 国の通貨同士を交換する「外国為替(Foreign Exchange:略してForeX)」取引のことを指す。
- 為替レートを基準に、通貨を交換していく。
- 外貨を安く買い付け、高く売ることで利益が出る。
例えば、100円=1ドルでトレードできるときにドルを買っておき、110円=1ドルでトレードできるときに売ることで、1ドルあたり10円の利益が出ます。
ではなぜ破産につながるようなことが起こるのでしょうか?
それはFXのレバレッジ取引にあります。
レバレッジ取引とは?
- レバレッジ(leverage)とは「てこ」という意味。
- レバレッジ取引とは持っている資金を証拠金にして、数倍の額の取引が可能になる取引のことです。
- 補足:レバレッジなし(1倍)も取引のための証拠金が必要になります。
例えば、100円しか持っていなくても、レバレッジ2倍の取引を行うと200円分のお金を取引に使うことができます。
先ほどの例ですと、100円=1ドルで買い、110円=1ドルで売ったときの利益は、レバレッジをかけないと10円だけですが、レバレッジ2倍なら20円、レバレッジ3倍なら30円の利益にすることができます。
FXのレバレッジは国内取引で最大25倍までかけることができます。海外口座では25倍を変えるレバレッジで取引することも可能です。
元手が100円ではなく、10万円、100万円ならどうでしょうか。100万円の場合は一度の取引で10万円儲かるところが、最大250万円も儲けることができます。
しかしこのレバレッジ取引も注意点が2つあります。
レバレッジは損失にも掛かる
先ほどの例では儲けが出るケースでしたが、例えば逆に110円=1ドルの時にドルを買い、100円=1ドルの時に売ることになったらどうでしょうか。
元手100万円をレバレッジ25倍で取引していた場合、一度に250万円の損失が出てしまいます。
しかし、買った時より低い為替レートの時に売ってしまうから損が出てしまうのです。
買った時より高くなるまで売らずに取っておけば良いのでは?と思いませんか。
含み損(含み益)と強制ロスカット
- 取引を行っていない損失と利益のことを、それぞれ含み損と含み益と言います。
- 利益を確定させることやその取引を「利確(利益確定:りかく)」といい、同様に損失を「損切り(そんぎり)」といいます。
つまりこれまでの事例では250万円の含み益(もしくは含み損)が出ている状態となります。
レバレッジ取引において、含み損は無限に大きくなることはなく更なる損失の拡大を防ぐために、強制的に決済が行われる仕組みがあります。これが「強制ロスカット(Loss Cut=損失)」です。
- 損失を拡大させないために、取引所により強制的に損切りをさせられること。
- 取引している金額に対しての証拠金の比率が一定以下に下がると強制ロスカットとなる。
- 証拠金の比率は含み益と含み損も含めて計算される。
- 含み損が大きくなると証拠金比率が下がます。
このため、含み損が大きくなると強制ロスカットになり、損失が確定してしまいます。
証拠金比率は、含み損も含めて計算されるため一定以上の含み損が出て、証拠金比率が下がると、含み損が出ている状態でその通貨を売らないでおくことができず損失を確定させられてしまうのです。
FXでの破産体験談につながる実際にあった断末魔の叫び・危険な発想集
実際に、レバレッジをかけたFX取引でどんな体験談があったのでしょうか。
ケースごとに紹介していきます。
ケース1:負けを取り戻すために借金を重ねてしまった
1 :名無し募集中。。。@\(^o^)/:2017/05/01(月) 12:58:49.68 0.net
FXで作った高額の借金は自己破産が可能でしょうか?
30台前半、年収450万円の男性です、質問させてください。FXで1300万円の借金を作ってしまいました。
期間としては、ここ2年ほどで損失に損失を重ねてしまいました。負けをどうにかして取り戻そうとして更に負債を重ねる悪循環に陥り、どうしようもない状態になり自己破産を考えています。引用:2ちゃんねる掲示板
年収450万に対して、1300万円の借金はとても大きいですね。
住宅ローン以外の借金額としては、30代前半にしてはかなり大きな金額ではないでしょうか。
特に負けを取り戻すために借金を繰り返してしまうのはギャンブル依存症とも類似性があります。
FXで作った借金は自己破産時に免責事項となるのでしょうか。後ほど詳しく解説していきます。

ケース2:FXの資金を親の借金に頼っている
引用:5チャンネル掲示板
FXで700万円も借金していること
まず700万円もFX取引で失敗してしまっていて、ご両親に肩代わりをしてもらっています。
借金返済だけでなく、ご両親から借りたお金のうち300万円も返済にあてずにFX取引に使ってしまっています。
FXのため追加で借金をしている
一度返せなくなったにも関わらず、FX取引資金のためさらにプロミスから300万円を借り入れています。
「源泉徴収をゴニョゴニョ」と書いてあることから、収入を過大報告して借りていた可能性もあります。
ケース3:FX取引の虜になってしまった
もうFXはやめようと思ったんですけど・・・。
FXには、ギャンブルにも似た快感と誘惑があるんです。
「欲張らなければちょっとしたお小遣い稼ぎにはなるよね・・・」
と、気づけばすきま時間でトレードを再開していました。
10万円ほどで細々とやるつもりでしたが、そんなのは最初だけ。
「利益を大きくしたい!」
「そのためにはもっと原資が必要!」こんな欲がドンドン出てきます。
その結果、生活費から毎月5万円ほどを投資に回すようになりました。
こちらの方は、10万円からスタートして順調に利益を産んで行きましたが、1年後に損失を出してしまいます。その際には、自身の貯金から20万円を補填し、プラスマイナスゼロにしました。
その際に、もうFXはやらないと誓った方なのですが、引用文のようにギャンブルのような快感に目覚めてしまい、FX取引を再開するようになります。
家族からもらった車の購入資金100万円や旦那さんとの共同貯金300万円を全て失ってしまいました。
旦那さんからは、金融機関から借金をしていたら離婚だったと言われてしまい、大変ショックを受けていたようです。



ケース4:余剰資金で運用していない
FXで大損して奨学金240万円失った。来年の学費125万稼げる方法を皆考えてくれ!
1: FXで大負けした 2013/09/16 13:08:05 ID:gWAEOOjx0
来年の学費どうしよう 半年で125万稼げる方法ある?引用:ゆいたんねる
学費、それも奨学金をFX取引で使ってしまったケースです。
FX取引を始め、資産運用は基本的に元本を失う可能性を考慮しなければなりません。
つまりこれから必要になるお金に手をつけて資産運用をしてはいけません。
奨学金は、一部の場合をのぞいてほとんどが卒業後に返還が必要なお金です。この方のように学費以外に資金を使ってしまっては、本来の目的である就学が実現できなくなってしまいます。
FXで破産してしまう理由は4つ!
FX取引で破産をしてしまう理由は大きく分けて4つあります。
そのほとんどが、FX取引で大きな損失を出してしまい、その補填のために借金を行なったことに起因します。
【1】強制ロスカットで損失が確定してしまう
レバレッジ倍率を大きくなると、少しの相場変動で大きな損失が出てしまうことがあります。
本来強制ロスカットは、証拠金以上の損失が出ないようにする仕組みですが、大きな相場変動の場合、強制ロスカットが機能しない場合があります。
強制ロスカットが行われたが間に合わずに、損失が確定し、口座資金がマイナスとなってしまいます。
マイナス分は基本的にはFX取引所に対する借金となり、返済の必要があります。これを追証と言います。
- 口座に預けていた証拠金以上の損失が発生した場合に追加の証拠金が必要になります。これを追証(おいしょう)と言います。
FX取引所は直ちに追証済を求めてきて、そのために高額な借金を背負ってしまう可能性があります。
通常の借金であれば、年収に対して一定の割合以下でしか借りることができません。
レバレッジ取引の損失の金額は、本来借金できる金額以上になることもあり、FX取引所への返済ができなかったり、ヤミ金などから借金してしまうことにつながります。
【2】余剰資金で運用を行っていない
前述のケース4の方のように、余剰資金で運用していない場合、損失を取り戻すためにより大きな勝負に出てしまいます。
それまで負けていて勝負にいきなり勝てるはずもなく、さらに大きな損失を招いてしまいます。
FX取引を生業としているプロのトレーダーの方もいらっしゃいますが、専門家ではない普通の人が必要な資金をFX取引に投じるのはやめましょう。
【3】相場に対して即座の対応ができない
相場変動をリアルタイムで対応できない場合、気づいたら強制ロスカット執行の連絡が来ていた、ということになりかねません。
日中は仕事をしていて、張り付きで相場を見れない場合に起こり得ることです。
急激な相場変動は張り付いていてでも対応できないことはありますが、張り付きで見ていればすぐに取引を行い、被害を最小限に抑えることができる可能性があります。
【4】FXはゼロサムゲームであることを理解していない
これは同じ相場でも損する人がいるから、得する人がいるということではありません。
為替レートは、売りたい人と買いたい人の需要と供給で決まります。
これは、何かの通貨の価格が上がれば同時に別の通貨の価格が下がるということです。全ての通貨の価格が上がり続けることがないからです。
株式取引のような、すべての株価が上がっていく、すべての株価が下がっていくということはなく、常に何かの通貨価値が上がれば、それを取引するために必要な別の通貨が多く必要になります。
このため、相場の読みが非常に複雑になります。
FXで借金した場合でも、自己破産はできる?
前述の体験談にもありましたが、FXで作った借金は自己破産により免責となるのでしょうか。
原則ギャンブルで作った借金は免責にならない
免責不許可事項には下記のような一文があります。
浪費(むだづかい)やギャンブルによって多額の借金をしてしまった場合
原則として、ギャンブルで作った借金があると免責不許可事由に該当し、借金返済の責務は解除されません。
FXはギャンブルか?
自己破産におけるギャンブルの定義
一般的には、パチンコ、スロット、競馬、競輪、競艇、オートレースなどがギャンブルとして定義されています。
FXはギャンブルか?投資か?
FXや株式取引はギャンブルに含まれるのでしょうか?それとも投資に当たるのでしょうか?
FXはギャンブルか否かについて、いくつか見解があります。
FXは投資なのでギャンブルではないです。このため自己破産の免責不許可事由には該当しません
上記のような見解を持つ方もいます。
例えば弁護士の先生は下記のように仰っています。
確かに法律上は、FXや株式などへの不適切な投資は、ギャンブルや浪費も同然だとして、原則として借金が免除されない事情(法律上、「免責不許可事由」と呼ばれています)とされています。
しかし、実務上、免責不許可事由のある債務者が免責されないことは、極めてまれです。
裁判所が債務者の一切の事情を考慮して免責を認める「裁量免責制度」があるためです。引用:泉総合法律事務所(赤字太字は筆者注)
FXは免責不許可事由に該当するが、裁量免責制度があるため免責となる可能性が高いと仰っています。
まずは専門家に相談してみよう
個人や知識では判断できないことが多いかと思いますので、実際に債務整理の専門家に意見を聞いてみるのが近道です。
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専門分野 | 債務整理・過払い請求 |
対応地域 | 日本全国 |
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対応金融機関 | アコム、アイフル、オリコ、アプラス、セゾン、セディア、三菱UFJニコス、プロミス、三井住友VISA、レイク、楽天、ライフ、その他多数 |
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FX取引は破産することがある!取引は慎重にしよう!
- レバレッジ倍率を高めるとハイリスク・ハイリターンになる!
- FXの失敗体験談から次のことがわかる。
- 負けを取り返そうとするギャンブル発想に注意!
- 借金をして挑むのはNG!
- 快楽に虜になってしまう
- 必要な資金でFX取引をしてしまう
- FXはギャンブルと同様と見なされるが、免責を受けられる可能性がある!
FX取引について、なぜ借金を追ってしまうのか、どうして借金をしてまで続けるのかが判りましたね。
FX取引にはまってしまうと、ギャンブル依存症と似た症状になってしまうことにも留意しましょう。
安全にFX取引ができるように失敗談をもとに気をつけていきましょう。
FXが理由で破産になることは十分あり得ます。またFXで作った借金は免責となる場合もあります。
もし借金を作ってしまったら、速やかに専門家に相談してみましょう。